中学生以下の子どもを持つ親に対して支給されている「児童手当」には、2つの問題点が指摘されていました。

1つ目は、児童手当を満額受け取れるかどうかを判断する「所得制限限度額」が設けられていること。

2つ目は、2022年10月給付分から設けられた基準で、年収1200万円以上になると、「1か月あたり一律5000円(特例給付)」も受け取れなくなってしまうこと。

子育ての負担は親の所得額にかかわらず同じであるはずです。

それにも関わらず、所得制限が設けられているのは、制度趣旨である「子育て支援」といえるのか?というものでした。

しかし政府は、2023年6月13日に異次元の少子化対策を正式に表明し、2024年10月分から児童手当の拡充により、問題視されていた所得制限が撤廃されるようです。

今回は、児童手当の拡充の内容、その財源について解説します。

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児童手当の拡充1:児童手当の支給対象が高校生まで・第3子以降の給付額が倍増

現在の児童手当では、対象は中学生以下で、支給額は年齢ごとに以下のように決まっています。

【現在の児童手当】

  • 0~3歳未満:月1万5000円
  • 3歳~小学生:月1万円(第3子以降は月1万5000円)
  • 中学生:月1万円

しかし、今後は、この対象を高校生に相当する18歳まで(月1万円の給付)広げる方向で調整が進められています。

【新しい児童手当案】

  • 16~18歳(高校生相当)も月1万円支給
  • 第3子以降は月3万円支給

さらに第3子以降は、現在の月1万5000円から3万円に倍増させる方向で検討されています。