内閣府の「令和4年版 少子化社会対策白書」によると、50歳時の未婚割合は2020年で男性が28.3%、女性は17.8%でした。
ライフスタイルが多様化する中、今後も「おひとりさま」は増えていくと予想されています。
人生の三大資金といわれる「教育資金・住宅資金・老後資金」。教育資金と住宅資金は家族構成やライフスタイルによって必要ない方もいますが、「老後資金」は大小あれど誰しも必要となるでしょう。
今回は、「おひとりさまの老後生活」について考えていきたいと思います。単身世帯の平均的な生活費は約15万円となりますが、これをカバーできるほどの年金を受け取ることはできるのでしょうか。
年金支給日である8月15日を前に、おひとりさまの年金や生活費などお金事情を見ていきましょう。
1.「国民年金・厚生年金」年金のしくみをおさらい
日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」の2つの制度で構成されており、2階建て構造といわれています。
年金に加入していることは知っているものの「国民年金」か「厚生年金」かまで把握していないという方も少なくないようです。
現役時代のいま、どちらに加入しているか?で、老後に受け取る年金受給額が大きく異なりますので、この機会に確認しておきましょう。
1.1 国民年金《1階》
1階部分にあたる「国民年金」は、日本に住む20~60歳未満のすべての方が加入するものです。
国民年金の保険料は、収入の有無や年収に関わらず一律となっています。20歳~60歳未満の40年間(480カ月)、全ての保険料を支払うことで老後に満額の老齢年金を受け取ることができます。
【2023年度 国民年金保険料と老齢年金(満額)】
- 国民年金保険料:月額1万6520円
- 老齢年金(満額):6万6250円(月額)・79万5000円(年額)※67歳以下の新規裁定者の場合
1.2 厚生年金《2階》
2階部分にあたる「厚生年金」は、主に会社員や公務員などが対象となります。厚生年金の保険料は、現役時代の報酬に所定の適用率を乗じて決定し、毎月の給与や賞与から天引きされます。
保険料が個々で異なる仕組み上、老後に受給する年金も個人でバラつきがみられるのが厚生年金の特徴ともいえるでしょう。
なお、厚生年金は1階部分の国民年金に上乗せする形になるため、老後に受け取る年金は国民年金のみの方より一般的に大きくなる傾向にあります。