2. シニアが60歳以降も働く理由とは?

2021年の法改正によって、シニア世代も働きやすい環境が整いつつありますが、年金受給を目前としている60歳代の多くが、なぜ働き続けたいと考えているのでしょうか。

その要因として「貯蓄額が十分でないシニア世代が多いこと」と「年金の繰下げ受給があること」が考えられます。

プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社の調査したデータでは、約4割の60歳代の人が貯蓄額「300万円未満」であることがわかっています。

また、生命保険文化センターの発表した調査では、夫婦で老後生活を送ることを想定したうえで必要と考える最低日常生活費は「月額で平均23万2000円」に。

貯蓄が十分でない人にとっては、年金受給だけでは生活が厳しい現状がみてとれます。

貯蓄がないことへの不安感から、年金受給が可能な年齢になってもなお働く人が多いのでしょう。

また日本の制度上、年金を繰り下げ受給すると年金額が増えることから、「働けるうちは働いておこう」という考えの人がシニア世代で多いのかもしれません。

3. 60歳〜65歳の年収は現役時代より少ない?60歳代の給与事情

前章で、はたらくシニア世代が年々増加していることがわかりましたが、60歳代の給与事情はどのようになっているのでしょうか。

パーソルキャリア株式会社の調査した「平均年収ランキング」では、60歳~65歳の年収は下記の結果となりました。

年齢が上がるにつれて平均年収が高くなるのが一般的ですが、60歳以降になると、徐々に平均年収が下降傾向にあることがわかります。

パーソルキャリア株式会社の同調査では、「60歳〜65歳」男女別の平均年収は下記の結果となりました。

全体の平均年収と同様に、男女別にみても、どちらも平均年収が60歳以降から下降していることがわかります。

とくに女性よりも男性のほうが年収が一気に減っていますね。

定年後の再雇用を機に、現役時代よりも給与が減ってしまう人が多いのかもしれません。