以前までの日本は、60歳を過ぎると定年退職を機に現役引退するのが一般的でしたが、現代では「はたらくシニア世代」が増えつつあります。

実際に総務省が発表した調査データによると、60〜64歳の71.5%、65歳〜69歳の50.3%、65歳以上の25.1%が就労しています。

60歳代は半数以上の人が就労していることから、現代では「還暦を過ぎたら退職して静かに暮らす」という老後生活をしている人のほうが少ないのが現状です。

そんな「はたらくシニア」が増えている今、気になるのは給与事情かと思います。

本記事では、60歳代の「はたらくシニア」の給与事情について詳しく解説していきます。

厚生年金と国民年金の平均受給額についても解説しているので、あわせて参考にしてください。

1. 60歳以降も働きたい「はたらくシニア」が増加傾向

冒頭でもお伝えしたとおり、日本では「はたらくシニア」が増えており、その数は年々増加傾向をたどっています。

実際に総務省の調査データによると、2004年以降、高齢就業者数は18年連続で増加し続けており、2021年には過去最多の909万人にとなっています。

また、プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険株式会社の行った調査では、81.4%は65歳以降も働きたいと思っており、39.0%は70歳以降も働きたいと思っていることがわかりました。

「はたらくシニア」の就労意欲が強まっている背景として「改正高年齢者雇用安定法」があります。

「改正高年齢者雇用安定法」は2021年4月に施行されたもので、雇用する労働者に対して65歳までの雇用確保義務に加えて、70歳までの就業確保措置をとることの努力義務が課せられるようになりました。

上記の改正によって、65歳以上の就業機会が以前よりも増えたことから、はたらくシニアが多くなっているのだとうかがえます。