8月支給の年金から「税金が天引きされない人」はどんな人か 特別徴収の対象「所得税・住民税・健康保険料・介護保険料」を解説

4.「厚生年金と国民年金」本当の額面はいくらか

ここからは、厚生労働省が公表する「令和3年度　厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、実際に支給された厚生年金と国民年金の平均額を確認します。

直近の2021年度末時点でのデータとなります。

4.1 厚生年金の年金月額は14万円台　

平均年金月額：14万3965円

• 〈男性〉平均年金月額：16万3380円
• 〈女性〉平均年金月額：10万4686円

※国民年金の金額を含む

4.2 国民年金の年金月額は5万円台

平均年金月額：5万6368円

• （男性）平均年金月額：5万9013円
• （女性）平均年金月額：5万4346円

実際の受給額はそれぞれ異なりますが、ここからさらに天引きされるお金もあることを踏まえると、年金だけで生活するのは難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。

5. 年金を軸にした老後計画

老後の柱となるのは年金収入ですが、そんな年金からも天引きされるお金があります。

2023年7月4日に公表された厚生労働省「2022（令和4）年 国民生活基礎調査の概況」によると、る公的年金・恩給の
総所得に占める割合が100％である世帯は44％だけでした。

残りの56％の世帯は、年金以外に稼働所得や財産所得、仕送りや個人年金などで補填していることがわかったのです。

年金だけに頼るのではなく、年金を軸にした老後計画が大事であるといえるでしょう。

そのためには、年金額の目安を定期的に確認し、不足する老後資金をコツコツ貯めることが重要になります。

参考資料

• 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」（2022年12月）
• 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
• 日本年金機構「Q.年金から所得税および復興特別所得税が源泉徴収される対象となる人は、どのような人でしょうか。」
• 厚生労働省「2022（令和4）年 国民生活基礎調査の概況」
• 東京都後期高齢者医療広域連合「保険料試算用シート（令和5年度分）」

太田 彩子