株式会社ファーストリテイリング(9983)(以下「同社」という)が、2023年8月期第3四半期連結決算(対象期間:2023年3月1日~2023年5月31日)を発表した。
海外ユニクロ事業とジーユー事業が、売上高を示す売上収益、営業利益ともに大幅な増加となった。予想を上回り、第3四半期累計期間(9か月)実績は過去最高業績となった。
なお、同社は、2023年8月期通期業績予想の上方修正も同時に発表している。
1. ファーストリテイリングの第3四半期連結業績
上記は、第3四半期累計期間であるが、同社は「3ヶ月」の業績を重視していることから、第3四半期期間(3月1日~5月31日)で数値を見ていく。
海外ユニクロ事業、ジーユー事業が当第3四半期の3ヶ月で大幅な増収増益となったことが主な要因となり、過去最高業績となった。
とりわけ中国大陸、香港、台湾(いわゆる「グレーターチャイナ」)では力強い成長が続いており、収益の柱の多様化が進んでいる。
売上高を示す売上収益)、事業利益、営業利益は前年同期比で大幅なプラスとなったが、純利益(親会社の所有者に帰属する四半期利益)は前年同期比でマイナスとなった。これは金融収益である「外貨建資産などの換算による為替差益」が大幅に減少したこと(為替市況による影響)が要因である(参考として、第3四半期9ヶ月累計では為替差益は前年同期比▲89.8%であった)。
同社は、「国内ユニクロ事業」「海外ユニクロ事業」「ジーユー事業」の3セグメントで営業利益(3ヶ月)の96.4%を占めている。そのため、ここからは当該3セグメントの状況を見ていく。