2.【国民年金】繰上げ受給は11.2%・繰下げ受給は1.8%

では次に、国民年金を繰上げ・繰下げ受給した方の割合を確認していきましょう。

厚生労働省の同調査によると、国民年金を繰上げ・繰下げ受給した方の割合は以下の通りです。

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

国民年金においては、繰上げ受給を選択する方が11.2%となっており、厚生年金と比較して多くなっています。しかし、その割合は年々微減傾向にあり、具体的には以下のように推移しています。

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

繰上げ受給を選択する方が減少していく一方で、繰下げ受給を選択する方が増加しています。

3.【老齢年金】繰上げ受給・繰下げ受給をするといくらもらえる?

厚生年金や国民年金を繰上げ受給や繰下げ受給をするか、それとも原則通り65歳から受給するかを決める際には、繰上げや繰下げをすることでどのくらいの金額がもらえるのかを知る必要があるでしょう。

そこで、国民年金を繰上げた場合と繰下げた場合の金額をシミュレーションしていきます。

なお、国民年金は2023年度において満額で79万5000円 受給できるため、この金額を元に計算します。

3.1 年金月額79万5000円を繰上げした場合の受給額

繰上げ受給は、受給開始年齢を60歳から64歳の間に繰り上げる制度です。原則よりも早い年齢で受給開始できますが、1ヵ月繰り上げるごとに0.4%が減額されます。

出所:日本年金機構「年金の繰上げ受給」

60歳・61歳・62歳・63歳・64歳で繰上げした場合の減額(減額率)と受給額を以下にまとめました。

出所:日本年金機構「年金の繰上げ受給」をもとに筆者作成

60歳で繰り上げすると、原則通り受け取るよりも19万円程減額されます。減額された金額は一生涯変わらないため、慎重に検討したいところです。