厚生年金や国民年金の受給は原則として65歳からとされていますが、60歳から繰上げたり、66歳から75歳の間に繰下げたりできる制度があり、自分の好きなタイミングから受給を開始できます。

これから年金を受給開始する方の中には、実際に年金の繰上げ受給や繰下げ受給を選択した人がどのくらいの割合いるのか知りたい方もいるでしょう。

そこでこの記事では、年金を繰上げ・繰下げ受給した方の割合を解説するとともに、繰上げ・繰下げをした場合の受給金額をシミュレーションしていきます。

1.【厚生年金】繰上げ受給は0.6%・繰下げ受給は1.2%

厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 によると、厚生年金の繰上げ受給・繰下げ受給を選択した方の割合はそれぞれ以下の通りとなっています。

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

厚生年金を繰上げ受給した方は全体の0.6%、繰下げ受給を選択した方は1.2%で、ほとんどの方が原則通り65歳から受給開始しています。

ただし、割合的には少ないとはいえ、繰上げ・繰下げ受給を選択する方はともに年々増加傾向にあります。参考までに、過去5年間で繰上げ・繰下げ受給した方の割合の推移を見てみましょう。

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに筆者作成

このように、わずかずつではありますが増加していることがわかります。