4. 遺族年金を受け取れる場合もある

繰下げ受給の待機中に亡くなった際、遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)の受給要件を満たす場合は、一時金とは別に遺族年金を受け取ることもできます。

ただし、ここでも繰下げ受給による増額分は反映されません。

遺族厚生年金の受給額は「死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額」となっているため、遺族が受給できるのは未支給年金同様に65歳時点での受給額をベースにしたものとなります。

5. 繰下げ受給のリスクも知っておこう

繰下げ受給には年金額が増えるという大きなメリットがあります。

出所:日本年金機構「年金の繰下げ受給」

このようなメリットばかりが注目されますが、一方で受給前に亡くなるリスクについても考えなければなりません。

特に5年以上繰下げ受給する場合は、時効により遺族が未支給年金を受け取れない部分も発生します。

繰下げ受給を行う場合は、自分の健康状態や遺された家族のマネープランを考慮したうえで、繰下げ期間をどれくらいに設定するか検討しましょう。

参考資料

椿 慧理