近年日本では、専業主婦世帯よりも共働き世帯のほうが増えてきています。

実際に労働政策研究・研修機構(JILPT)のまとめた資料では、2022年の専業主婦世帯が539万世帯なのに対して、共働き世帯は1262万世帯と2倍以上の差があります。

現代では共働き世帯が一般化していることから、家計の在り方も変容しつつあります。

そんな中、2023年7月5日に公開された調査データでは46.8%の世帯が「お小遣い制」を導入していることがわかりました。

本記事では、こちらの調査結果をもとに「共働き世帯の家計実態」における、「夫婦のお小遣い」に注目して解説していきます。

お小遣い制にするメリットや、夫婦世帯の平均貯蓄なども紹介しているので、あわせて参考にしてください。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

約半数の共働き世帯が「お小遣い制」を導入している

R&C株式会社が共働き夫婦1000人を対象に実施した「共働き世帯の家計実態調査」によると、約半数の共働き世帯が「お小遣い制」を導入していることがわかりました。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査対象:共働き夫婦1000人
  • 調査地域:全国
  • 調査期間:2023年6月6日~6月7日
  • 調査主体:R&C株式会社
  • 調査委託先:アイブリッジ株式会社
  • リリース公開日:2023年7月5日

1000人の共働き夫婦のうち、46.8%が「お小遣い制」を導入していることがわかりました。

約半数の世帯がお小遣い制であり、毎月のお小遣い額の平均は3万2682円となっています。

【図表1】1/3

【図表1】

出所:R&C株式会社「共働き夫婦のお小遣いは夫婦平均で32,682円!夫婦別では夫34,503円、妻28,820円で差あり」

【図表1】にて夫婦別でのお小遣い額を見てみると、夫は平均「3万4503円」で、妻は平均「2万8820円」と、やや妻のほうがお小遣い額が少ない傾向にあります。

なお、月収額に対するお小遣い額の割合においては、夫婦の平均「7.6%」となり、お小遣いに割ける収入の割合は1割未満であることがうかがえます。

年代別「共働き世帯」のお小遣い平均額

R&C株式会社の調査による「共働き世帯の年代別のお小遣い平均額」は、【図表2】の結果となりました。

【図表2】2/3

【図表2】

出所:R&C株式会社「共働き夫婦のお小遣いは夫婦平均で32,682円!夫婦別では夫34,503円、妻28,820円で差あり」

20歳代から30歳代にかけてお小遣い額は上昇傾向にありますが、40歳代で下降し、50歳代以降から徐々にお小遣い額が増えてきます。

30歳代や40歳代になると、家や車を買ったり子どもの教育費がかかったりなど、何かと支出が増えます。

実際に、2022(令和4)年の総務省「家計調査」による「世帯主の年代別にみた2人以上の勤労者世帯の消費支出」で消費支出の平均を見ると、30歳~34歳「25万7611円」35歳~39歳「28万1248円」に対し、40~44歳「30万8828円」45~49歳「34万720円」とあがっています。

そのため、お小遣いの割合を減らして、ローンや教育費などの支出に費用をあてていることが考えられます。

反対に50歳代以降になると、若い頃よりも収入が増え、住宅ローンや教育費も目処がたち始めるため、少しずつお小遣い額を増やしていく世帯が多いのでしょう。

お小遣い制にするメリットと注意点

前章で、共働き世帯において約半数の世帯が「お小遣い制」を導入していることがわかりましたが、お小遣い制にすることで何かメリットがあるのでしょうか。

結論からお伝えすると、共働き世帯がお小遣い制を導入することで「資産形成」がしやすくなります。

お小遣い制を導入すると、事前に支出額の見通しが立つため、家計管理がしやすくなります。

また、あらかじめ使える金額が決まっていると、何にお小遣いを使うべきかの優先順位を付ける必要が出てくるため、無駄遣いやお金の使いすぎを防止できます。

その結果、貯蓄に回せるお金が明確になり、先の計画が立てやすくなることから、資産形成がしやすくなるのです。

とはいえ、お小遣い制は双方が納得したルールや金額で行わないと、モチベーションの低下につながったり、どちらかがストレスを抱えたまま過ごしたりなど、トラブルの発展にもなりかねません。

「今後の資産形成を見据えてお小遣い制にしたい」と考えている場合は、お互いが納得できる金額やルールを設けたうえで、導入できると良いでしょう。

夫婦世帯の平均貯蓄額はいくらか

お小遣い制にすることで、資産形成がよりしやすくなると解説しましたが、各年代の夫婦世帯において、どのくらい貯蓄をしているのでしょうか。

金融広報中央委員会による二人以上の世帯調査では、各年代の貯蓄額は【図表3】のようになりました。

【図表3】3/3

【図表3】

出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」を参考に筆者作成

平均値を見ると、貯蓄額が「多い」と感じた方もいるかもしれませんが、平均値は「全てのデータを足したあとにデータ数で割った値」となっており、極端に貯蓄額が多い人がいた場合、平均値が偏る傾向にあります。

一方で中央値は、対象となるデータを小さい順に並べ、中央にある値を指しており、一般的な貯蓄額の実態に近い数値となっています。

そのため、「お小遣い制を導入して貯蓄をしていきたい」という場合は、中央値の平均額を参考に、資産形成をしていけると良いでしょう。

お小遣い制を導入して「資産形成」を見える化してみては

本記事では、実際の調査結果をもとに「共働き世帯の家計実態」における、「夫婦のお小遣い」に注目して解説していきました。

約半数の共働き世帯が「お小遣い制」を導入しており、毎月のお小遣い額の平均は3万2682円という結果になりました。

お小遣い制を導入することで、入ってくるお金と出ていくお金が把握しやすくなることから、より資産形成がしやすくなります。

「なかなかお金が貯まらない」と悩んでいる方は、本記事を参考に、一度お小遣い制の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料

太田 彩子