3. iDeCoの運用シミュレーション

公的年金を支える方法をいくつか確認しましたが、ここではiDeCoの運用をシュミレートしつつ、その効果を検証してみましょう。

iDeCo公式サイトのシュミレーターを使って、元金と運用益の合計と節税金額をシミュレーションしてみました。

シミュレーションに用いた設定は、以下のとおりです。

  • 35歳運用スタート
  • 年収400万円
  • 掛け金は毎月2万円

シュミレーションの結果、30年間の積立期間中にiDeCoの運用で節税できる金額は、1年間で3万6000円、30年間で108万円でした。

金融庁の資産運用シミュレーションで目標とする収益を3%に設定した運用シュミレーションでは、次のように算出されました。

出所:金融庁「資産運用シミュレーション」をもとに筆者作成

iDeCoは有期年金として受け取る場合、5年以上20年以下と期間が定められています。

上記を最大20年間で受け取る場合、

1165万4738円÷20年≒年間58万2736円

月額計算すると

58万2736円÷12か月≒4万8561円 です。

公的年金の受給月額が10万円以上15万円未満の人でも、iDeCoをうまく活用すると、月額15万円〜20万円の生活費を確保することができます。

4. 公的年金だけを頼りにしない老後生活

現在、公的年金を受給している人の多くは、受給月額10万円〜20万円未満です。

受給月額20万円を超える人は全体の15.5%となっており、もはや羨望の対象といっても良いでしょう。

公的年金を支えるものとして、iDeCoや個人年金保険、労働などが挙げられます。

これからは、公的年金だけを頼りに老後生活を設計するのは難しいでしょう。

公的年金は、老後を支えるいくつかの資産のうちの一つ、という認識が必要です。

参考資料

LIMO編集部