管理職と一般職の違いとはどんなものがある?

管理職とは、労働現場において、労働者を指揮する立場にあり、組織の運営を担う立場の人と前述しました。

具体的にはどのような業務のことをいい、一般職とどのような違いがあるのかを明確にしてみましょう。

部長や課長職などの管理職は、企業の経営目標を達成するため、部下を指揮・統制・管理する、経営者サイドに立つ職位です。

そのため、原則、労働組合に加入することができません。

また、労働基準法で決められている「管理監督者」にあたれば、労働時間や休日の規定が適用されません。

さらに、時間外労働や休日出勤が認められる場合もありますし、残業代などの割増賃金の支給義務もなくなるケースも多くあります(深夜残業を除く)。

しかし、管理職は雇われている立場にありながら、経営目標を達成するという重責を担っている分「役職手当」がつくことになります。

たとえば、課長手当が5~10万円、部長手当が10~20万円などが、月額給与に加算される場合が多くあります。

役職手当がいくら支払われるかについては、企業によって違いがあります。

実際の額が知りたいという場合は、就業規則・社内規定で確認するか、人事担当者に確認してみるとよいでしょう。

産業別管理職の平均給与を比較!高い業種と低い業種で約1.8倍の差

次は、厚生労働省が行った「2022(令和4)年賃金構造基本調査」で、産業別(16業種)の平均賃金をみてみましょう。

この調査では年齢別での平均給与が載っており、具体的な役職別では調査されていません。

部長職の目安は「50~54歳」、課長職の目安は「45~49歳」として、抽出することにします。

●産業別平均賃金・部長職

  • 《鉱業・採石業など》406万8000円
  • 《建設業》411万3000円
  • 《製造業》360万3000円
  • 《電気・ガス・熱供給・水道業》518万6000円
  • 《情報通信業》462万5000円
  • 《運輸・郵便業》314万3000円
  • 《卸売り・小売り業》375万3000円
  • 《金融・保険業》481万2000円
  • 《不動産業など》403万4000円
  • 《学術研究・専門技術・サービス業》460万円
  • 《宿泊・飲食サービス業》293万3000円
  • 《生活関連サービス業》313万2000円
  • 《教育・学習支援業》448万7000円
  • 《医療・福祉業》323万7000円
  • 《複合サービス業》363万9000円
  • 《他に分類されないサービス業》296万4000円

●産業別平均賃金・課長職

  • 《鉱業・採石業など》363万8000円
  • 《建設業》372万8000円
  • 《製造業》340万8000円
  • 《電気・ガス・熱供給・水道業》465万9000円
  • 《情報通信業》450万4000円
  • 《運輸・郵便業》311万3000円
  • 《卸売り・小売り業》356万6000円
  • 《金融・保険業》445万8000円
  • 《不動産業など》395万円
  • 《学術研究・専門技術・サービス業》440万8000円
  • 《宿泊・飲食サービス業》288万9000円
  • 《生活関連サービス業》314万7000円
  • 《教育・学習支援業》416万8000円
  • 《医療・福祉業》317万円
  • 《複合サービス業》343万2000円
  • 《他に分類されないサービス業》297万4000円