2. 国民年金6万6000円の女性「60歳・65歳・70歳・75歳 」いつからがお得?
ではここから、女性が60歳・65歳・70歳・75歳の各年齢から年金受給を開始する場合の、生涯に受け取れる年金額の合計をシミュレーションします。
シミュレーションをするにあたり、寿命と年金額を決める必要があります。
厚生労働省の「e-ヘルスネット 平均寿命と健康寿命」によると、日本人女性の平均寿命は87.45歳なので、88歳まで生存した場合でシミュレーションしていきます。
また、年金額は国民年金を満額受給できるとして仮定します。令和5年度の満額の支給額は月額6万6250円なので、6万6000円を受給するとして考えます。
2.1【シミュレーション条件】
- 予定寿命:88歳
- 年金受給額:月額6万6000円
2.2 60歳から受給開始する場合(5歳繰り上げ)
国民年金を繰上げ受給開始する場合、1ヵ月繰り上げるごとに0.4%が減額されるため、60歳から5年間(60ヵ月)繰上げ受給をする場合、減額率は24%(0.4%×60ヵ月)となります。
6万6000円の24%は約1万5800円なので、受給額は月額5万200円(6万6000円-1万5800円)と計算できます。
月額5万200円なので年額では60万2400円。88歳までの28年間受給すると、合計で1686万7200円(60万2400円×28年)受給できる予定です。
2.3 原則通り65歳から受給開始する場合
国民年金を原則通り65歳から受給開始する場合は、減額や増額の調整が行われないため月額6万6000円を元に計算します。
月額6万6000円なので年額は79万2000円(6万6000円×12ヵ月)。88歳までの23年間受給する場合、合計額は1821万6000円の予定です。
2.4 70歳から受給開始する場合(5歳繰下げ)
国民年金を繰下げ受給する場合、1ヵ月繰下げるごとに0.7%が増額されます。
5年繰下げて70歳から受給開始する場合、増額率は42%(0.7%×60ヵ月)になるため、年金受給額は月額約9万3700円(6万6000円×1.42)となります。年額では112万4400円で、88歳まで18年間受給すると2023万9200円が受給できる予定です。
2.5 75歳から受給開始する場合(10歳繰下げ)
国民年金を65歳から10年繰下げて75歳から受給開始する場合、増額率は84%(0.7%×120ヵ月)なので月額12万1400円が受給できることになります。
年額では145万6800円で、88歳までの13年間受給すると1893万8400円が受給できる予定です。