厚生年金や国民年金の受給開始年齢は、原則として65歳からとなっていますが、受給者の希望により繰り上げたり繰下げたりすることも可能です。

年金の繰上げは60歳から可能で、繰下げは75歳まで可能です。このように、年金の受給開始年齢は60歳から75歳までの間で自由に決めることができます。

最近は、定年後も仕事を続ける方が増加していることもあり、受給開始年齢も人それぞれ異なる傾向があります。

では、男性の場合、何歳から受給開始するのがお得なのでしょうか。

この記事では、男性が年金を受給開始する年齢を60歳・65歳・70歳・75歳の4つのタイミングごとに計算し、生涯で受け取れる年金額を比較していきます。

1.【厚生年金と国民年金】年金受給開始年齢は原則として65歳

2023年度において、厚生年金や国民年金の受給開始年齢は、原則として65歳からとなっています。

しかし、「もっと早めに受給したい」という場合は「繰上げ受給」を、「受給開始年齢をもう少し遅くしたい」という場合は「繰下げ受給」を選択できます。

1.1 繰上げ受給は60歳から。ただし年金額は減額

厚生年金や国民年金は、60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受給開始することができます。

ただし、1ヵ月繰り上げるごとに0.4%(※)が減額され、5年間(60ヵ月)繰り上げると最大24%が減額されることになります。そして、減額された金額は一生涯変わることはありません。

出所:日本年金機構「年金の繰上げ受給」

年金の減額率は以下の計算式で求めます。

減額率=0.4%(※)×繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数
※昭和37年4月2日以降生まれの方。昭和37年4月1日以前生まれの方の減額率は0.5%

なお、原則として国民年金を繰り上げた場合、厚生年金も同時に繰り上げる必要がある点に注意が必要です。