2.「パワーカップル」の現役時代の手取り額は?

パワーカップルの世帯年収は1400万円以上になりますが、高額所得者は税金が高く手取りは少ないといったことも聞きますので、手取り額についても見ておきましょう。

手取り額は、家族構成や適用される控除によって異なるため一概にはいえませんが、総支給額の75%~85%が目安といわれています。年収700万円の場合だと手取り額は525万円~595万円(月額44万円~50万円)くらいになるでしょう。

これが2人分となるので、パワーカップル夫婦の世帯としての手取り額は1050万円~1190万円となります。

夫婦のどちらか一方だけが1400万円を稼いだ場合だと、手取り額が1000万円をきる世帯もあります。こちらも適用される控除によって世帯ごとに事情は異なりますが、所得税の税率による影響も大きいです。

所得税の税率は、695万円から900万円未満までが23%、900万円から1800万円未満までが33%と900万円をさかいに大きく変わります。一人で1400万円を稼ぐよりも、700万円ずつ稼いだ方が所得税を抑えられるというわけです。

3. 世帯年収1400万円の年金額シミュレーション

老後の収入を支える年金についても見ておきましょう。世帯年収1400万円のパワーカップルは、老後、年金をいくら受け取ることができるのでしょうか。

将来受け取る老齢年金は、国民年金か厚生年金かで大きく異なります。国民年金は皆一律の保険料を40年間納めることで老後に満額を受給できます。一方、厚生年金は、現役時代の厚生年金加入期間と、期間中の収入によって年金額が決定するため個人差が大きいのが特徴です。

厚生年金は、過去の年収も含めて試算しなければいけませんが、ここでは20歳~60歳未満までの全期間、年収700万円の夫婦と想定してシミュレーションしてみます。

3.1 国民年金の場合

出所:出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」

パワーカップルの国民年金の年金額は、一人あたり年間80万円、月額約6万6670円です。夫婦2人で、ひと月の年金収入は約13万3000円になります。

4.2 厚生年金の場合

出所:出所:厚生労働省「公的年金シミュレーター」

パワーカップルの厚生年金の年金額は、一人あたり年間223万円、月額約18万5800円です。夫婦2人で、ひと月の年金収入は約37万1600円になります。

年金からも税金や保険料が引かれるので、手取り額で月額約15万円、夫婦2人でひと月約30万円の年金収入ということになります。

現役時代の手取り月収が44万円~50万円でしたので、14万円~20万円ほど収入が減ることに。

パワーカップルでも年金額は意外と少ないと感じますね。この試算は、年収700万円✕40年間の想定です。20歳代で年収700万円を稼げる方はそう多くないことを考えると、現実的なパワーカップルの年金額はもう少し低くなるでしょう。

国民年金も厚生年金も、年金以外の収入源や貯蓄などを確保しておく必要がありそうですね。