日々、SNSやネット情報、動画コンテンツなどと密に接するZ世代。そんな彼らが、最近「セルフケア」にどのくらい意識を向けているのでしょうか。
最新の調査では、実に52.4% のZ世代がセルフケアを実践中であると報告されています。
今回はその調査結果を紐解きながら、心身を整えるための具体的なセルフケア術もいくつかご紹介していきます。
1. Z世代は半数以上がセルフケアを実践!“自分を整える力”が当たり前の時代へ
第一三共ヘルスケア株式会社がZ世代から59歳までの男女1043名に対して行った【第一三共ヘルスケア「Z世代セルフケア白書2025」調査】を見ていきましょう。
1.1 調査概要
- 調査対象:全国の15~59歳までの男女1,043名
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2025年9月5〜10日
※本文では20代以下の男女を「Z世代」、30代〜50代男女を「ミドル世代」として集計・比較しています。
※グラフの構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合があります
1.2 【世代別】セルフケア認知度は全体で8割近い傾向に
まずは調査データからセルフケアの認知度や実施について、Z世代とミドルエイジ(中年層)との比較や傾向を見てみましょう。
セルフケアの認知度:Z世代
- 「意味、内容まで知っている」:25.6%
- 「言葉だけは知っている、聞いたことがある」:49.5%
- 「知らない、聞いたこともない」:24.9%
セルフケアの認知度:ミドル世代
- 「意味、内容まで知っている」:19.4%
- 「言葉だけは知っている、聞いたことがある」:57.9%
- 「知らない、聞いたこともない」:22.7%
セルフケアの実践度:Z世代
- 「(セルフケアを)できている」:7%
- 「(セルフケアを)どちらかというとできている」:45.4%
- 「(セルフケアを)どちらかというとできていない」:39.6%
- 「(セルフケアを)できていない」:8%
セルフケアの実践度:ミドル世代
- 「(セルフケアを)できている」:3.2%
- 「(セルフケアを)どちらかというとできている」:41.7%
- 「(セルフケアを)どちらかというとできていない」:44.8%
- 「(セルフケアを)できていない」:10.3%
調査によれば、Z世代の 52.4 % が「普段から何らかのセルフケアをしている」と回答。ミドルエイジ(30~50代あたり)と比べると、この実施率はやや高めという結果が出ています。
Z世代にとってセルフケアとは、疲れを取るだけでなく「自分の機嫌を取る」ためのもの。変化の激しい環境の中で自分を立て直す時間を意識的に設けることが、ひとつのライフスキルになりつつあるといえるでしょう。
2. セルフケアをしない理由は「何をすればいいか分からない」が最多に
セルフケアを実践していない層にその理由を尋ねたところ「何をすればいいか分からない」が最多となりました。
1位(38.6%):「何をすればよいか分からないから」
2位(30.5%):「良い睡眠がとれていないと思うから」
3位(28.3%):「仕事や勉強、家事・育児などで忙しいから」
4位(27.2%):「運動・身体を動かす機会が減ったから」
5位(20.2%):「生活リズムが乱れているから」
いずれも、現代の特有の要因が原因であるようです。ストレスの多い現代で、セルフケアができていない理由が、現代の社会問題に帰着するというのは面白い結果です。
また、情報が溢れすぎているからこそ「何をすればいいのかわからない」となっている可能性も高そうです。SNSやウェブ上には健康・美容・メンタルケアに関する情報があふれ、何から始めればよいか判断しにくい状態といえるでしょう。
「情報の洪水の中で迷う」というのも、現代人のストレスの一部といえるかもしれません。
では、セルフケアに関する情報はどのようにそれぞれの世代が集めているのでしょうか。
3. 【情報収集】Z世代はSNS、ミドル世代は企業サイトや医療機関で
Z世代の情報収集源では、SNS(38.4%)が上位に入り、ミドル世代の「企業サイト」や「医療機関」といったオフィシャル情報源とは対照的な結果になりました。
3.1 【世代別】情報を取りにいく手段にも差が!具体的な内訳をみる
健康やセルフケア情報入手経路:Z世代
1位(43.8%):テレビ番組、新聞や雑誌記事
2位(38.8%):検索エンジン
3位(38.4%):SNS
4位(26.0%):家族、友人や知人
5位(24.4%):ウェブメディア
健康やセルフケア情報入手経路:ミドル世代
1位(56.0%):テレビ番組、新聞や雑誌記事
2位(44.5%):検索エンジン
3位(31.1%):ウェブメディア
4位(26.0%):企業のウェブサイト
5位(23.9%):医療機関
Z世代が健康やセルフケア情報を「SNS」や「検索エンジン」で得る割合が高いのは、単なる習慣というより「情報の機動力」を重視する価値観の表れといえるでしょう。
若者世代にとってのSNSは、もはや娯楽ではなく“生活のインフラ”。気になった症状や不調をその場で検索し、他者の体験談を即座に確認する、そんなスピード感が当たり前になっているのかもしれまえせん。
3.2 【世代別】正しい情報をフィルタリングする力が求められる…情報社会におけるリスク
健康や心のセルフケア情報に関する誤情報・フェイク的な情報に接した経験も、Z世代の回答がミドル世代と比較してより高い割合をマークしたと報告されています。
全体/Z世代/ミドル世代
- 誤った情報に接触した経験がある:29%/35.5%/24.7%
- 確認していない・接したことがない:71%/64.5%/75.3%
情報の流通スピードが速いほど誤情報や極端な健康法も混ざりやすく、真偽を見極めるリテラシーが求められます。
実際、Z世代の35.5%が誤情報に接した経験を持つという結果はリスクにもさらされやすい現実を示しています。膨大な情報の中から“自分に合うもの”を見つけ出すことが「セルフケア」のスタートラインといえるでしょう。
健康やメンタルケアの分野でも、専門家発信と個人発信が共存する情報過多時代において「どう心を守るか」「どう正しい手がかりを選ぶか」が大事になっていることを示しています。
4. なぜ、セルフケア実践が注目されるのか?
情報環境が複雑になるほど、ストレスや不安、情報疲れ(情報過多ゆえの消耗感)が生まれやすくなります。
判断力・注意力が削がれがちな状態では、思わぬ誤情報に振り回されるリスクも高まります。
だからこそ、心身に余裕を保つセルフケアが、情報に向き合う土台として重要となるのです。
調査で「セルフケアをしている」と答える人が過半数近くに達しているのは、そうした文脈が背後にあるのでしょう。
5. 実践できるセルフケア術:心と体、両面から
厚生労働省の「こころと体のセルフケア」ガイドをベースに、日常的に取り入れやすい方法をピックアップします。
- 体を動かす:軽い運動、散歩、ストレッチなど。体を動かすと気分転換効果あり
- 今の気持ちを書いてみる:頭の中のモヤモヤを、文字化することで整理できることがあります
- 腹式呼吸をくりかえす:ゆっくり深い呼吸を意識して、緊張や不安を和らげる効果が期待されます
- 「なりたい自分」に目を向ける:将来像や理想を描くことで感情の流されやすさを抑える助けになるかもしれません
- 音楽を聞いたり歌を歌ったり:気持ちが落ち着いたり、ストレスを発散できたり。好きな曲をじっくり味わう時間をつくるのもおすすめです
- 失敗したら笑ってみる:ユーモアを持って自己肯定感を保つ力を育てる、という視点も紹介されています
これらは特別な道具も場所も必要なく、今日からでもトライできる「日常型セルフケア」です。
6. おわりに
先の調査が示すように、Z世代におけるセルフケア実践率は、ミドル世代よりも高めという傾向が見られます。
これは、「日々激しく変わり、流れてゆく情報と向き合う中で、自分を整えることに価値を感じている人が増えてきている証左」かもしれません。
ただし、セルフケアは万能ではありません。もし、思い悩むことが続く、日常生活に支障が出るなどの兆候があるときは、専門家に相談することも大切です。
参考資料
LIMO・U23編集部