2. 厚生年金と国民年金は「繰下げ受給」でいくら増える?【損益分岐年齢】を確認
本来65歳から支給される老齢年金を繰下げると、年金額が月単位で増額されます。繰下げは66歳から75歳まで繰下げることができ、老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に繰下げることもできます。
増額率はひと月繰下げるごとに0.7%増額され、最大で84%(120月)の増額となります。
増額された年金は生涯にわたって続きます。なお、一度繰下げ(繰上げ)を選択すると変更や取り消しはできません。
損益分岐年齢は、「この年齢以上生きれば65歳からもらった場合よりも得をする」という年齢のラインです。
自分が何歳まで生きるか分からない以上、損得の正解を出すことはできませんが、ある程度の目安になるでしょう。
この繰下げ受給を、実際に行った人の割合はどのくらいでしょうか。
3. 繰下げ受給を選択した人の割合は?厚生労働省の資料で確認
厚生労働省の「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業年報」によると、厚生年金の受給権者(特別支給の老齢厚生年金の受給権者は含まない)で、繰上げ受給を選択した人の割合は0.6%、繰下げ受給を選択した人の割合は1.2%となっています。
一方、国民年金の受給権者(基礎のみ・旧国年の受給権者)では、繰上げ受給を選択した人の割合は27.0%、繰下げ受給を選択した人の割合は1.8%となっています。
国民年金、厚生年金ともに、繰下げ受給を選択する人の割合は1%台と非常に少ないことがわかります。