ファイナンシャルアドバイザーの筆者が出会うお客様には、就職する際に、親から「貯蓄をするように」と教えられたという方がたくさんいらっしゃいます。
筆者もそのうちの一人ですが、せっかくの助言はすっかり抜け落ち、20代は貯蓄をせずに過ごしてしまいました。今となっては、「アドバイスは聞いておくべきだったな…」と思いますが、時間は返ってきません。
近年は「年金不安」や「人生100年時代」など、老後のお金に対する不安は高まるばかり。これまで以上に「将来のお金」について真剣に考えていかなければいけませんね。
今回は、「お金」について、貯蓄を考える上でのポイントを金融機関で勤めてきた筆者が経験を元に紹介していきます。
1. あこがれの「富裕層」その定義と数はどのくらいか?
社会人になり働いてお金を得ることの厳しさを感じて、「お金持ち=富裕層」にあこがれたという方は少なくないのでは。
自分には富裕層など夢のまた夢、と思う方もいるかもしれませんが、実は日本の富裕層は上昇傾向にあります。
まずは、いまの日本の富裕層について、確認していきましょう。
- 超富裕層(5億円以上):9万世帯
- 富裕層(1億円以上5億円未満):139万5000世帯
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):325万4000世帯
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):726万3000世帯
- マス層(3000万円未満):4213万2000世帯
野村総合研究所が発表したニュースリリース「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」では、純金融資産保有額が1億円以上の世帯を「富裕層」、5億円以上の世帯を「超富裕層」と定義しています。資産1億円以上の「富裕層・超富裕層」は合計で148万5000世帯、全体の約2.9%とごく少数であることがわかりました。
また、先ほども申し上げましたが、ほんのひと握りの富裕層・富裕層、2011年から上昇し続けています。
準富裕層が富裕層に、富裕層が超富裕層に、と階層がアップしているようですが、その要因として考えられるのが、保有資産の資産価値の上昇です。
保有している株や投資信託などの運用成績が好調で、資産が増えているということです。もともとお金もちだから投資ができるといえばそれまでですが、コツコツとお金を貯めて富裕層になっている方もいます。
マス層が減り、その1つ上のアッパーマス層が増えていることからも、着実に資産を増やしていくことで富裕層になるのは不可能でないといえるでしょう。
お金を貯めることに成功している富裕層。その特徴には、富裕層へ近づくためのヒントがあると思いませんか。