老後、年金だけでゆったり暮らしたいと考えている方は多いかもしれません。

そうであれば、自分がもらう年金でどの程度の生活が送れるのか、しっかり考えておくことが大切です。

特に老後のすまいについては、持ち家の方も賃貸の方も「年金だけでなんとかなる」と思っていると、後々困ることになるかもしれません。

今回は、「厚生年金14万円・持ち家なし」の方が、賃貸物件に住み続ける際のリスクと対策についてまとめます。

1. 65歳以上単身無職世帯における厚生年金の平均年金月額は約14万円

厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2021(令和3)年度の厚生年金に加入している人のうち、民間企業のサラリーマンが対象となる第1号厚生年金被保険者の平均年金月額は、男性と女性を合わせた総数で14万3965円。

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

男性は16万3380円、女性は10万4686円となっています。

厚生年金は1階が国民年金(老齢基礎年金)、2階が報酬比例(老齢厚生年金)の2階建てです。

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和5年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

国民年金は年収に関係なく保険料を納めることで満額受け取れますが、厚生年金は加入している期間が長く、その間の平均した年収が高いほど受給額が増えます。

そのため、老齢年金の受給額は個々に大きく違いがでます。