3. 「厚生年金14万円・持ち家なし」の場合、考えられる2つの老後リスクと対策
老後を迎える前に、持ち家であれば老朽化した家の修繕費、賃貸であれば払い続けなければならない家賃などを準備しておく必要があります。
さらに、賃貸にお住いの方であれば、以下の2つの老後リスクにより、不動産会社から敬遠されるケースもありますので対策を講じておきましょう。
3.1 「厚生年金14万円・持ち家なし」の老後リスク1:高齢者に対する健康不安
シニアの方の場合、イキイキ元気に暮らしていても、突然のケガで寝たきり状態になったり、認知症を患ったりすることがあります。
また、熱中症や突然の体調変化がもとで、そのまま部屋の中で亡くなってしまうことはないとはいえません。そのようなことが起これば、貸していた物件の価値が下がってしまいます。
実際、不動産会社などは、高齢者に対して健康上の不安を理由に賃貸契約を積極的に行わない場合もあります。
年齢的なことでの健康リスクは避けられません。しかし、そうであっても、イザというときすぐに連絡が取れる親族や友人などがいれば、安心してもらえることがあるはずです。
老後を迎えるまでに、何かあったときに頼れる人間関係を構築しておきましょう。
3.2 「厚生年金14万円・持ち家なし」の老後リスク2:家賃滞納に対する経済不安
厚生年金で暮らす場合、支給される年金だけでは毎月の生活を支えるのが精一杯ということもあるでしょう。
もし、切り崩すことができる潤沢な預貯金があれば、年金とあわせて家計を賄うことはできますが、年金だけでは将来的に住み続けられるかという不安にさいなまれます。
この不安は、物件を貸す不動産会社なども同じく感じることです。
入居に際して、しっかり、家賃の支払いが滞らないということを示すためにも、貯蓄額の提示が必要になる場合があります。
もしまとまった貯蓄がないという場合であれば、安定した勤務先から一定の収入を得ていることを伝えることが有効になる場合もあります。
4. 老後のリスクに備えるために
高齢になってから賃貸に住む場合、不動産を貸す立場の人がリスク(高齢者に対して病気・認知症・突然死などの健康不安、家賃滞納不安)を感じるのは、仕方がないことかもしれません。
事前に予測して、対応できることから準備しましょう。
参考資料
舟本 美子