2. 60歳代「厚生年金と国民年金」の2023年度の受給額はいくら?
日本年金機構の発表によると、令和5年4月分から年金支給額が変更されます。67歳以下の方(新規裁定者)は令和4年度から原則2.2%の引き上げとなります。
2.1 年金のしくみ:公的年金は2階建て
日本の公的年金は「国民年金」と「厚生年金」の2種類です。職業によって加入する年金制度が異なります。
【1階部分:国民年金】
国民年金は、原則20歳以上60歳未満のすべての日本国民が加入します。自営業や学生、専業主婦、無職の方も国民年金に加入する義務があり、年金保険料を支払います。
国民年金に加入する方が老後にもらえる年金を「老齢基礎年金」といいます。
【2階部分:厚生年金】
厚生年金は、会社員や公務員などが勤務先の企業や組織で加入します。
厚生年金に加入する方が受け取る年金のことを「老齢厚生年金」といいます。
年金保険料は企業と折半して支払いますが、収入に応じて支払う保険料が変わります。収入の多い人ほど保険料が高くなり(上限あり)、年金受給額も多くなります。
厚生年金は国民年金に加えて受け取ります。
2.2 国民年金の受給額は?
自営業の方などが受給するのは国民年金のみです。国民年金の支給額は令和5年において満額でも月6万6250円です。
国民年金は20歳から60歳までの40年間(480カ月)加入し、保険料を支払うことで、年金が満額支給されます。未納の期間があればそれだけ年金受給額は少なくなります。
2.3 厚生年金の受給額は?
会社員や公務員などの厚生年金加入者は、国民年金に加えて厚生年金を受け取ります。
全体の厚生年金受給額は、夫婦世帯で22万4482円です。これは平均的な収入(※)で40年間就業した場合の給付水準が算出されています。
年金は老後の暮らしにとって心強いものですが、老後の生活の経済面を年金受給額だけではまかなうことが難しいと言わざるを得ません。
(※)平均的な収入:平均標準報酬(賞与含む月額換算)を43万9000円で換算