65歳になると年金を受給することができます。
一方では定年が65歳となった企業も多く、今後は70歳まで定年が延長されていく流れがあり、60歳代にとって働く環境が変わりつつあります。
実際に60歳代はまだまだ現役で働いている人も、すでにリタイアされている人もいるでしょう。
では60歳代は、老後の生活を見据えて一体どれほど貯蓄を持っているのでしょうか。今回は60歳代の貯蓄額について年金平均受給額も確認します。
1. 60歳代の貯蓄事情は?
60歳代の貯蓄額を金融中央広報委員会が令和4年に発表した金融調査のデータから夫婦世帯、単身世帯別に見ていきましょう。
1.1 60歳代夫婦世帯の貯蓄額は?平均と中央値を確認
60歳代の貯蓄を夫婦世帯でみてみると、貯蓄ゼロの割合は2人世帯全体の20.8%でした。平均値は1819万円、中央値は700万円です。
3000万円の貯蓄を持っている世帯が20.3%を占めていて、平均値を押し上げているため、平均値と中央値に差が生じています。中央値の700万円が実態に近い貯蓄額と捉えられます。
貯蓄額が両極化していることはグラフに表れていますが、ゆとりのある世帯と厳しい暮らしをする世帯とに分かれていることがわかります。
1.2 60歳代シングル世帯の貯蓄額は?平均と中央値を確認
60歳代の貯蓄をシングル世帯でみてみると、貯蓄ゼロ世帯の割合は全体の28.5%と、2人世帯よりも高い割合でした。平均値は1388万円、中央値は300万円です。
3000万円の貯蓄を持っている世帯が16.9%と高い割合を占めて平均値を押し上げているため、2人世帯同様に平均値と中央値に大きな差があります。こちらも中央値の300万円が実態に近い貯蓄額と捉えられます。
グラフの分布をみると単身世帯においても、高額な貯蓄を保有してゆとりのある世帯と生活に困窮する世帯とに2極化していることがわかります。