3.「貯蓄ゼロ世帯」にならないための方法3つ
私たちは年金の受給額だけで生活をまかなうのは難しいことがわかりました。
老後の生活にいくらあれば足りるのかは人それぞれですが、やはり60歳代で貯蓄ゼロでは心もとないのではないかと思います。老後になってからお金で苦労しないように今から準備を始めましょう。
60歳代になったときに貯蓄がゼロとならないように、いまからできることを始めましょう。
対策1.支出と収入のバランスを整える
これは生活の基本になりますが、月々の支出を収入の中でまかなえるようにしましょう。
もしも支出が収入を上回る月があるなら、何に出費したのかをチェックしましょう。すべてのレシートを取り出してノートに書き出してみると、無駄遣いしている部分が見えてきます。半年ほど続けてみると良いでしょう。
収支バランスが取れていない人はまず現状の把握からしてみましょう。
対策2.毎月貯蓄をする
毎月の収支バランスが整ったら貯蓄を始めます。
貯蓄は、自動で貯蓄口座に引き落とされる仕組みを使いましょう。「生活費の余った分を貯蓄する」というやり方では貯蓄の成功がむずかしいものです。使うよりも先に貯蓄し、残りを生活に充てるようにしましょう。
貯蓄額はできる範囲で構いません。月2万円の貯蓄で年間24万円、2年で50万円近くの貯蓄ができます。
対策3.資産を効果的に増やす
貯蓄が順調に増えてきたら、貯蓄の一部を、あるいは貯蓄とは別に余裕資金の一部を投資に回していくこともおすすめです。
時間をかけて積立投資をすることで、貯蓄よりも効果的に資産を増やすことも可能です。
NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を利用すれば投資益に対して税金が課されないので、老後の資産を形成しやすいといえます。
4. 老後に向けた準備をはじめよう
今回は60歳代の貯蓄額を確認し、貯蓄ゼロ世帯がどれほどいるのか、また年金の受給額について確認してきました。その上で60歳代を迎える前に、老後対策として何ができるのかを解説しました。
年金だけで老後の生活費をすべてまかなっていくことは難しいものです。現役世代のうちにできる限り貯蓄や資産を積み立てておくことで、老後に向けて安心を備えることができます。
暴飲暴食などは避け、適度な運動を心がけて健康を保つことも大切です。またお友達やご近所の方々、親戚などと良好なコミュニケーションを保っておくことも安心した老後を過ごすには有効なポイントだと思います。しっかりと準備しておきましょう。
参考資料
- 日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「公的年金のしくみ」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)各種分類別データ」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)各種分類別データ」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
高橋 禎美