注文住宅とは、設計事務所やハウスメーカー、工務店などと打ち合わせを重ねながら、工事発注者の要望を取り入れて建てる住宅のことをいいます。
あらかじめ間取りや仕様が決まっている建売住宅とは違って自由度が高く、間取りをはじめとして内外装や住宅設備機器などを依頼者の趣味嗜好に合わせて自由に選ぶことができます。
しかし何も気にしないで建築業者と打ち合わせを進めてしまうと、気付いた時には希望の予算を大幅にオーバーしていたということにもなりかねません。
実際に国土交通省「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、分譲戸建住宅の購入資金は平均で4214万円、土地代を含めた注文住宅の資金は平均で5436万円でした。
注文住宅を建てる上では、いかにコストを削減しながら希望の予算内におさめるのかが重要なポイントになります。
でもその作業は決して簡単なことではありません。
そこでこの記事では、希望の予算内におさめるための減額調整のタイミングやその方法について紹介します。
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注文住宅の減額調整とは?
せっかく注文住宅を建てるのであれば、自分の要望を最大限に取り入れたいものです。
しかしすべての要望を取り入れようとしたり、業者からの提案をすべて受け入れてしまったりすると、予算オーバーになってしまいがちです。
そこで要望を最大限に取り入れつつ、できるだけコストを抑えて予算内におさまるようにしていく作業を「減額調整」といいます。
減額調整はいつ行えば良い?業者へのプラン依頼から契約までの流れ
注文住宅を建てる際にはまずは家族内で話し合いを行って、家の大きさや外観のイメージ、間取り、設備、内装の仕上げ材などの要望をリストアップして業者に伝えます。(土地をすでに所有している場合)
その際には必ず業者に「予算」と「要望の優先順位」を伝えておくことが大切です。
そしてそれらを元に業者にプランの作成依頼と概算の見積もり依頼を行いますが、1社だけではなく複数の業者に依頼することをおすすめします。
その後各社から提出されたプランと概算見積もり書をよく比較検討した上で、工事を依頼する業者を1社に絞って、正式な見積もり書を作成するための詳細な打ち合わせを開始します。
この段階で予算をオーバーしそうな場合には、優先順位の低い項目を見送るなどの「減額調整」が必要になります。
そして最終的な間取りや設備、仕様、見積もりなどが決まった後には、業者と工事請負契約を締結して金額を確定させることになります。
注文住宅の減額調整のポイント3つ
注文住宅の減額調整のポイントには次の3つがあります。
1. 絶対に譲れないものを決めておく
せっかく注文住宅を建てるのであれば、完成後に後悔しないようにしたいものです。
予算を優先するあまり妥協ばかり繰り返していたら、注文住宅を建てる意味がありません。
完成後の満足度を高めるためには要望の優先順位を明確にして、絶対にこれだけは譲れないというものを決めておくことが大切です。
これをあらかじめ業者に伝えておくことで、業者から希望に沿った減額案を提示してもらいやすくなります。
2. 内装材や住宅設備機器のグレードと耐用年数を把握しておく
建物の構造や面積、性能(耐震性能、断熱性能、遮音性能等)などは後から簡単に変えることはできませんが、内装材や住宅設備機器は建築後にリフォームで変更することが可能です。
また住宅設備機器の耐用年数は一般的に10~15年前後なので、将来取り替えや更新することを前提に選択する必要があります。
そのため希望する機能や性能が得られるのであれば、グレードの低いものを選択するのもひとつの方法です。
3. どのような減額案があるのかを調べておく
注文住宅の減額案はこれまでにも数多くの事例があり、インターネットでも紹介されています。
これを知っておくことで、自身の減額案を検討する際に参考になります。