近年日本では、つみたてNISAやiDeCoといった「国が推奨する投資制度」が始まったことで、資産運用がより身近なものとなりました。
「資産運用を始めてみたいけど、実際どのくらいの人がやっているのだろう」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
2023年6月6日にリリースされたデータによると、資産運用を始めた年代は30代が最も多いことがわかりました。
実際の調査データをもとに、資産運用をしている人の割合やどのような資産を保有しているのかについて解説していきます。
資産運用を始めた年代や、年代別の資産保有額も紹介しているので参考にしてください。
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6割以上が資産運用を「していない」、資産運用をしない理由は?
株式会社モデル百貨は、各年代を対象に「資産運用に関するアンケート」を実施しています。
調査概要は下記のとおりです。
- 調査名:資産運用に関するアンケート調査
- 調査会社:アイブリッジ株式会社「Freeasy」
- 調査期間:2023年4月24〜27日
- 対象人数:18〜99歳までの男女9000人
- リリース公開日:2023年6月6日
上記調査の結果、67.7%の人は株や投資信託などの資産運用を「していない」と回答しており、資産運用をしていない人のほうが多い傾向にあります。
政府は、「貯蓄から投資へ」をスローガンに、投資をより身近なものにするためにいくつかの政策を進めていますが、上記の結果を見る限りでは、現状はまだ資産運用は浸透していないとうかがえます。
では、資産運用をしていない人が「特に投資をしない理由」として何が挙げられるのでしょうか。
株式会社モデル百貨の同調査によると、「お金に余裕がない」という回答が最も多い結果となりました。
金融広報中央委員会の調査データによると、各年代において約2割から3割が毎月の手取り収入から「貯蓄ができていない」状況となっています。
どの年代においても、手取り収入から貯蓄をしていない世帯が一定数存在していることから「投資に回せる余裕がない」という現状があるようです。
また、先ほどの株式会社モデル百貨の「資産運用をしていない理由」の調査結果では、「損をしたくない」よりも「投資の知識がない」が上回っていることから、知識やお金があれば資産運用をしてみたいと思っている人は、多いのかもしれません。
資産運用をしている人はどのような資産を保有している?
株式会社モデル百貨の調査によると、資産運用をしている人が保有する資産で最も多かったのは「株」で、次いで「投資信託・ETF」という結果になりました。
株式投資では、自分で銘柄を選択して運用するのに対し、投資信託は自分で商品を選んだあとは、投資の専門家が運用してくれます。
一般的に、投資先や運用が不安な場合は「投資信託」を選択することが多いですが、株の保有数のほうが多いという結果をみると、リスクを選好している人も多いようです。
その背景として、2012年の経済政策「アベノミクス」によって、長期的に低迷していた株式市場が上昇相場に移行したことも、株式を保有する人が多い関係性の1つかもしれません。
では、各年代それぞれの「株式」「投資信託」の資産運用に関する保有額はどのくらいなのでしょうか。
金融広報中央委員会の調査データによると、単身世帯と二人以上世帯の各年代の金融資産(株式・投資信託)保有額は【図表4・図表5】の結果となりました。
単身世帯・二人以上世帯共に、投資信託よりも株式商品の保有額のほうが多い傾向にあります。
一方で、どちらの世帯においても、株式や投資信託よりも預貯金のほうが圧倒的に多くなっており、生命保険や債券など他の金融商品を含めても預貯金がトップとなっています。
上記のことから、現金として貯蓄をしている人が各年代において多いことがわかります。