路線価には2種類ある
路線価には主に「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2種類があります。
ここではその2種類について解説します。
1. 相続税路線価
相続税路線価は、相続税や贈与税を決めるための目安です。
相続税や贈与税は、相続や贈与で取得した土地の「時価」に対して税額が決まります。
相続税路線価の評価額は、公示価格の約8割といわれています。
※例)相続税路線価の評価額が2000万円の場合、公示価格は約2500万円
2. 固定資産税路線価
固定資産税路線価は、固定資産税を算定する場合に参考にしています。
固定資産税路線価の評価額は、公示価格の約7割といわれています。
※例)固定資産税路線価の評価額が2000万円の場合、公示価格は約2860万円
【2023年路線価】東京では上昇する?
2023年の路線価の公示は7月を予定しています。
2022年の東京での最高路線価は以下の通りです。
- 中央区銀座5丁目銀座中央通り 4224万円(㎡あたり)
前年と比較すると、▲1.1%で下落率も少ないのが分かります。
新型コロナウイルス感染症の影響も減少しているため、2023年の路線価は改善傾向が見られそうです。
さらに、東京の2023年の路線価を「地価公示」から予想してみます。
【グラフ1】からわかるように、2021年にコロナウイルスの影響で一時下落したものの2022年に上昇。
そのため2023年も上昇することが期待できます。
公示価格が上昇することで、路線価も上昇するでしょう。
路線価を調べるときの2つの注意点
路線価を調べるときには以下の2つに注意しましょう。
- 路線価の使用用途
- 「売買価格」ではない
1. 主に使用されるのは「税金の計算」
路線価は、前述したように相続税や固定資産税の計算をする際に使われます。
土地などの財産は、いつ相続するか分かりません。
いつでも適正な財産の評価ができるように、全国各地に調査地点が設けられています。
正確な土地の価格を知るために、路線価があるということを覚えておきましょう。
2. 路線価は実際の「売買価格」ではない
「路線価の価格が〇〇万円だから、売却したら〇〇万円で売れる!」というのは勘違いです。
路線価価格は、「不動産の相場」というわけではなく、地価公示の7割、8割くらいの価格になっています。
もし、土地を売却したり購入したりするために路線価を参考にするのであれば、路線価価格は地価の7割、8割くらいの価格になっていることを前提に計算するようにしましょう。
路線価を一つの目安にしよう(まとめ)
路線価は、不動産価格を知るための「目安」として参考にしましょう。
- 実際に近くの土地がいくらで売れるのか
- 所有している土地の価値はどれくらいなのか
上記のような価格を知るためには、実際に売りに出ている土地の価格を参考にしたり、専門家である不動産会社に査定を依頼したりするのがおすすめです。
路線価の見方をマスターして、適切な「不動産の価値」を見分けましょう。
参考資料
岩井 佑樹