長雨が続く季節は植物も調子を崩しがちになる季節。雨天で植物の世話が十分にできないこともあり、病気にかかって枯れてしまうことも、しばしば起こります。

そんなときに備えて、お気に入りの植物は「挿し木」で増やしておくのもオススメです。育てている鉢植えのひとつが枯れてしまったとしても、残りが元気であれば安心ですね。

そこで今回は、梅雨が挿し木に適した季節である理由、挿し木の方法などについて紹介します。さっそくみていきましょう。

梅雨に挿し木をオススメする「3つの理由」

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【理由その1】土が乾きにくい湿度

挿し木が成功する条件のひとつに、土を乾燥させないことが挙げられます。梅雨の湿気は人間にとって不快なものですが、高めの湿度は土を乾きにくくし発根を促します。

植物にとって適度な湿度や降雨は、根の生長を促進するために必要な条件といえます。

【理由その2】植物が生長しやすい気温

挿し木に適した気温は、一般的に植物が生長しやすい気温である15~25度です。

気象庁の「観測開始からの毎月の値」によると、東京の月の平均気温は2023年4月が16.3度、5月が19.0度、2022年の6月は23.0度。つまり、春から初夏の気温は挿し木に適した気温といえます。

【理由その3】梅雨以降の気候

梅雨以降は気温が上昇する季節に入り、気温の上昇とともに植物の生育も活発になります。

活着した根は適度な気温、日光、日々の水やりでどんどん生長していきます。同時に地上部の葉や茎も生長していくため、植物を丈夫に育てることができます。

初心者は多年草やハーブの挿し木がオススメ

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挿し木に適した植物はいろいろあります。たとえば観葉植物のヘデラやパキラ、ポトスなども簡単に挿し木で増やすことができる植物です。

また、多年草に分類される植物は比較的挿し木がしやすいでしょう。特に多年草のハーブ類は比較的丈夫な性質なので、挿し木に向いている品種が多くあります。ミントやセージ、ゼラニウムなどは挿し木がしやすいでしょう。

発根率がアップする!挿し木の方法【5ステップ】

植物をカットして土に挿すだけでも発根する場合がありますが、発根率を上げるためにはコツが必要です。ここからは挿し木の方法を紹介します。

【ステップ 1】土の準備

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市販の挿し木用の土を準備すると手軽です。土は十分に湿らせておきましょう。

【ステップ 2】挿し穂の準備

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挿し穂とは挿し木にする植物のことです。一般的に草花の場合は5センチ程度、樹木の場合は10センチ程度にカットします。元気のよい枝の先端部分をカットしましょう。

また、葉が多いと水分が葉から蒸散するので、適度に葉をむしるか、観葉植物の場合は葉を半分弱ほどカットするとよいでしょう。

切り口は水分を吸いやすくするため、茎を潰さないようにして斜めにカットします。

【ステップ 3】挿し穂を水につける

挿し穂を2~3時間ほど水につけて、十分に水を吸わせます。このとき、水に発根促進剤を混ぜると発根率が高まります。

【ステップ 4】土に挿す

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土に穴をあけ、挿し穂を挿します。穂が安定するように周りの土を軽く押さえます。

【ステップ 5】たっぷりと水を与える

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挿し穂を挿したあとは、たっぷりと水を与えましょう。挿し木をしたあとは、穂を休ませるために風通しのよい、直射日光が当たらない場所で管理します。水切れには注意しましょう。

お気に入りの植物を増やして楽しむ

今回は「挿し木」の方法、梅雨が挿し木に適したシーズンである理由を紹介しました。

挿し木は植物を増やす方法として、手軽にチャレンジしやすい方法です。挿し木が成功して、お気に入りの植物が生長する姿を見るのは楽しいものです。ただし、増えた植物の管理には注意が必要です。しっかりと責任をもって自分自身で管理をおこなうようにしましょう。挿し木は個人の楽しみの範囲内でおこなうことを忘れないでくださいね。

参考資料

LIMO編集部