2023年になっても止まらぬ物価高の中では、老後の貯蓄が2000万円で足りるのか、それ以上必要なのでは、と考える方もいるでしょう。
一時期話題になった「老後2000万円問題」ですが、住宅ローンを払いながら、教育費を捻出し、老後資金に備えるのは簡単なことではありません。
しかし少子高齢化や物価高をみると、できるだけ老後資金は手厚くしておきたいところですよね。
実際に65歳以上でリタイアした世帯では、貯蓄をどれくらい保有しているのでしょうか。
1. 「65歳以上・無職世帯」は平均で「貯蓄2000万円」を超える?【貯蓄クイズ】
最近では60歳代でも働く方が増えており、総務省統計局「2.高齢者の就業」によれば、2021年は60~64歳で働く割合は71.5%、65~69歳で50.3%です。
70歳以上になると18.1%となり、多くの方がリタイアします。
しかし昨今の物価高をみていると、仕事を辞めるに辞められないというかたもいるでしょう。
では実際に65歳以上でリタイアした無職世帯の貯蓄額は、平均で2000万円を超えると思いますか?それとも超えないでしょうか。
2. リタイア世代のリアルな平均貯蓄額とは
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)2022年(令和4年)平均結果(二人以上の世帯)」によると、2022年の「世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄現在高」は、平均で2359万円でした。
正解は、「65歳以上でリタイアした無職世帯の貯蓄額は平均で2000万円を超える」でした。
2019年には「老後2000万円問題」が話題となりましたが、思ったよりも貯蓄があると感じた方もいるのではないでしょうか。
2017~2022年の推移も確認しましょう。
2.1 世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄現在高の推移
- 2017年:2337万円
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
年により増減はあるものの、一貫して2000万円を超えており、ここ3年連続では増加しているのがわかります。
人生100年時代と言われる現代において、まとまった老後資金で備えている方が多いとわかりますね。
しかし、平均は一部の富裕層に影響されるもの。より実態をあらわすのは「中央値」です。