3. 65歳以上「全体の貯蓄額」平均と中央値はいくら?
同資料より、「世帯主が65歳以上の世帯の貯蓄現在高」について、100万円未満~4000万円以上で確認しましょう。
3.1 世帯主が65歳以上の無職世帯の貯蓄現在高(平均・中央値)
- 平均:2414万円
- 貯蓄保有世帯の中央値:1677万円
こちらは65歳以上全体になり、平均は先程より増えています。
一方で、貯蓄保有世帯の中央値をみると1677万円となっており、平均と中央値では737万円もの差があることがわかります。
グラフを見れば貯蓄100万円未満が7.8%な一方で、4000万円以上が17.9%ですから、個人差が大きいとわかるでしょう。
なお、上記は貯蓄保有世帯の中央値ですから、貯蓄非保有世帯を加えればさらに中央値が下がるとも考えられます。
4. 6月支給分からの「厚生年金と国民年金」は月額いくら受給できるのか
貯蓄が少なくとも、年金があれば日常生活はできると考える方もいるでしょう。
厚生労働省によれば、6月から支給される令和5年度の国民年金と厚生年金の年金額は以下の通りです。
4.1 令和5年度の国民年金と厚生年金の年金額
- 国民年金(満額):6万6250円(新規裁定者。68歳以上の方は6万6050円)
- 厚生年金はモデル夫婦(2人分の国民年金と厚生年金※):22万4482 円
※平均的な収入である年収526万8000円で、40年間就業した場合
国民年金は満額で6万円台、また厚生年金の標準的なモデル夫婦は22万円台でした。
しかし年金は加入状況により、個人差が非常に大きくなっています。
また、令和5年度は68歳以上で1.9%、67歳以下で2.2%、前年度より年金が増額されていました。ただマクロ経済スライドによる調整により、物価上昇ほどは増額されていません。
5. まとめにかえて
年金世代の貯蓄は平均で2000万円は超えていましたが、実態をみると個人差が大きくなっています。
年金も個人差が大きいため、ねんきん定期便やねんきんネットなどで事前に受給予定額を確認することが大切でしょう。
また、今年度は物価上昇ほどは年金額が増えなかったように、日本は少子高齢化により今後もこの傾向が続くことは考えられます。
今回の平均を参考に、ご自身の貯蓄額や年金額を確認して、老後の資産設計を考えてみましょう。
参考資料
宮野 茉莉子