2.2 国民年金の実際の受給額
同調査から、厚生年金の平均月額と受給者数も見ていきます。
【平均年金月額】
- 男女の平均年金月額:5万6368円
- 男性の平均年金月額:5万9013円
- 女性の平均年金月額:5万4346円
【受給者数】※()内の表記:(男性:女性)
- 1万円未満:7万27人(1万2175人:5万7852人)
- 1万円以上~2万円未満:28万4152人(5万6898人:22万7254人)
- 2万円以上~3万円未満:90万3006人(21万3856人:68万9150人)
- 3万円以上~4万円未満:274万9550人(66万8907人:208万643人)
- 4万円以上~5万円未満:463万6048人(134万591人:329万5457人)
- 5万円以上~6万円未満:791万730人(320万8727人:470万2003人)
- 6万円以上~7万円未満:1500万3006人(856万4339人:643万8667人)
- 7万円以上~:187万2466人(41万8350人:145万4116人)
男女合計・男女別でもボリュームゾーンは6万円以上〜7万円未満となりました。国民年金は満額に近い金額を受け取っている方が多いと分かります。
一方で、国民年金が1万円未満の方も。将来どのくらい年金が受け取れるか、今のうちからねんきん定期便やねんきんネットで確認しておきましょう。
3. 年金だけでは足りない!老後に向けた貯蓄対策
総務省の「家計調査報告[家計収支編]2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上夫婦の無職世帯の消費支出は23万6696円です。
あくまでデータ上の数値ですが、前述した一般的な年収のサラリーマンと専業主婦の夫婦が受け取れる年金だけで老後をまかなうのは困難といえるでしょう。
まずは将来の年金収入に対し、生活費や医療費などの支出を計算し、赤字が出るかを確認しましょう。もし支出が収入を上回るなら、今から老後資金を準備する必要があります。
主な手段は銀行預金になると思いますが、低金利の預金を続けるだけでは資金を増やすのは難しいでしょう。
毎月無理のない金額でつみたてNISAやiDeCoを始めて、銀行預金 + 運用の2つの柱で備えていくのも良いでしょう。
NISA制度は2024年からさらに使いやすくなり、口座開設無期限化・投資上限の増額・非課税期間の恒久化が実施される予定です。
iDeCoは確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金制度で、老後資金を任意で準備していく制度です。
希望者は自身で口座開設と運用商品を選択し、掛け金と運用益は60歳以降に一時金かもしくは年金で受け取れる制度です。
4. 老後に向けてできることを考える
お金を運用する方法はリスクを伴いますが、長期・積立・分散投資の原則を守ることで、資産を守りつつ増やすことが可能です。
他にも、厚生年金に加入して少しでも長く働いたり、できる範囲で節約したりと様々な方法が考えられます。
今からできそうな対策を探して挑戦してみてください。
参考資料
- 金融庁「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」」
- 金融庁「iDeCoを始めとした私的年金の現状と課題」2019年4月12日
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査報告[家計収支編] 2022年(令和4年)平均結果の概要」
小見田 昌