住宅をめぐる「賃貸か持ち家か」という永遠の議論。「一生賃貸派!」という人も一定数いますが、そこにはどのような意識があるのでしょうか?

さまざまなデータや調査から、賃貸派・持ち家派、それぞれの割合や理由をひも解いてみましょう。

また賃貸・持ち家それぞれのメリット・デメリットを比較すると見えてくるのが「老後」の問題。

これからの住まい探しは、どちらか二者択一的な考え方ではなく、それぞれのメリットを生かしデメリットを解消しながら柔軟に選択していくのが理想かもしれません。

現役中の万が一への備え、老後への備えなど、ちょっと違った視点で改めて住まいの選び方を考えてみませんか?

持ち家派、賃貸派はどのくらいいるの? 実情を探ってみよう!

77.9%が持ち家派!

マンション・一戸建て併せて77.9%の人が持ち家派という結果でした。圧倒的に持ち家派が多数のようですね。

増える賃貸派、減少する持ち家派

77%以上が持ち家派という圧倒的な結果でしたが、実は年々持ち家派は減少傾向にあり、賃貸派が上昇しています。これは、男女別・年代別・地域別どのデータを見ても同様です。

特にその傾向が強いのが20、30代の若い世代。20代においては、2015年の持ち家派83.1%に対し、2022年は67.9%に減少、30代では2015年の82.4%から2022年には69.5%に減少しています。

持ち家派、その理由は?

やはり「家賃はお金を捨てているようなもの」という感覚を持つ方が多く、もったいないという意見が半数近くを占めているようです。

注目したいのが3番目に多い「老後の住まいへの心配」。過去6年間の調査で、今回初めてTOP3に入りました。

賃貸派、その理由は?

持ち家のデメリットといえば「税金」というイメージがあるかと思います。しかし賃貸派の人にとっては、税金よりも「住宅ローン」や「天災」など将来のリスクに対する懸念の方が大きいことが分かりました。
また20代の若い世代では、転勤や家族構成の変化による引越しの可能性を危惧する意見が最も多く挙がっています。

「一生賃貸派!」が考える賃貸のメリット

皆さんの周りにも「一生賃貸がいい」という意見の方、いませんか?約8割が持ち家派という中、「一生賃貸!」と決めるにはどのような意識があるのでしょうか?

  • 数年おきに定期的に引越すことでリフレッシュできる
  • 何かトラブルがあってもすぐ環境を変えやすい
  • 仕事や家族構成の変化、子どもの成長などで住み替えしやすい

など、引越しのしやすさをメリットと考える人が圧倒的に多いようです。

「一生賃貸派!」が考える賃貸のデメリット

一生賃貸に住むと決めている人でも、やはり「一生家賃を払い続けても資産にならない」点はデメリットに感じているようです。高齢になっても資産がない上に家賃の支払いは続くことに不安を感じる声が多く上がっています。

中でも注目したいのが、3番目の理由として挙がっている老後の住居問題。高齢者が賃貸借契約を結べない、更新できないといった住居問題は、若い人でも知っておかなければならない重要な問題でしょう。