日本年金機構から毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」。

若い世代のみなさんであれば、まだまだ老後は先の話で関心が薄い人も多いでしょう。でも、「35歳・45歳・59歳」の節目の年にはハガキではなく封書で届くため、目にとまりやすいかもしれませんね。

「ねんきん定期便」は、将来受け取る老齢年金額を知るためのもっともポピュラーな方法の一つです。とはいえ、そこに書かれた金額を見て、漠然とした不安を感じる人もいるでしょう。

さらに、いざ年金受給が始まって実際の振込額がわかったとき、「思っていたよりも少ない……」と落胆するケースも多いようです。

実は、老齢年金も現役時代の給与と同じで「天引き」される税金や社会保険料があることは、意外に知られていないかもしれません。

今回はいまのシニア世代が受け取る公的年金の月額や、「ねんきん定期便」「年金振込通知書」のチェック方法について触れつつ、年金から天引きされるお金についても整理します。

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1. 【老齢年金】公的年金のしくみを確認!

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

まずは、日本の公的年金のしくみを整理していきましょう。

年金制度は国民年金(基礎年金)と厚生年金、2種類の年金制度から成り立つ2階建て構造となっており、老齢年金の受給スタート年齢は原則65歳からです。

1.1 1階部分:国民年金(基礎年金)

  • 加入対象:日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:一律(年度ごとに見直されます)1万6520円(2023年度・月額)
  • 年金額:6万6250円(2023年度・月額)✕調整率(※)

※480カ月に未納期間がある場合は差し引かれます

1.2 2階部分:厚生年金

  • 加入対象 主に会社員、公務員など
  • 保険料 報酬比例制(毎月の報酬により決定)
  • 年金額 加入期間や納付保険料によって決定。国民年金に上乗せで支給

1.2 国民年金・厚生年金「保険料や年金額など」

出所: 日本年金機構「国民年金保険料」、厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」」をもとにLIMO編集部作成

現役世代に加入する年金制度によって、老後に受け取る年金は変わります。一般的に会社員・公務員の方は国民年金と厚生年金、自営業の方は国民年金のみを受給します。

国民年金だけを受給するよりも、厚生年金を上乗せで受け取る方が年金額は手厚くなる傾向があります。また厚生年金の受給額は、現役世代の年収と年金加入期間が反映されるため、人によって金額に差がつきます。