資産運用を検討する際に、株式投資か投資信託か、どちらを選ぶべきか迷ったことはありませんか?

短期で大きなリターンを狙えるのか、それとも少額からコツコツ積立できるのかなど、両者には特徴もリスクも異なるポイントが多数存在します。

本記事では、その違いや失敗しないためのポイントをわかりやすく解説します。

【無料】あなたに合った資産運用はどれ?質問に答えて3分で診断

1. 株式投資と投資信託の違いを比較

資産運用を検討するとき、「株式投資」と「投資信託」のどちらを選ぶべきかで迷う人は少なくありません。これらはどちらも資産形成を目指せる手段ですが、商品の構造やリスク分散の仕方などが大きく異なるのが特徴です。ここではそれぞれの概要を整理し、選択のポイントを解説していきます。

1.1 株式投資の特徴

株式投資は、企業が発行する株を購入して値上がり益や配当金、株主優待などを狙う投資方法です。投資家自身が企業情報を調べ、購入・売却のタイミングを決定します。短い期間で大きなリターンを得られる可能性がある一方、市場の変動や企業業績に影響されるリスクについても覚悟しておく必要があります。

1.2 投資信託の特徴

投資信託は、投資家から集めた資金を運用会社が株式や債券などに分散投資する仕組みです。運用のプロが選定するため、個別銘柄の調査に割く時間を軽減できるのがメリットです。また、少額から投資が可能で、リスク分散効果も高い点もメリットとして挙げられます。ただし売買や保有時に手数料がかかり、元本保証ではないことに留意しましょう。

2. 株式投資と投資信託のメリット・デメリット

それぞれの具体的なメリット・デメリットについて見ていきましょう。

  株式投資 投資信託
メリット ・短期で値上がり益を狙えるチャンスが大きい
・配当金や株主優待が受け取れる場合がある
・保有中は運用コストが基本的にかからない
・専門家が運用するため初心者でも始めやすい
・1本で複数の資産に分散投資できる
・100円からなど少額投資が可能
デメリット ・企業が倒産すると投資額が大幅に毀損するリスク
・最低投資金額が銘柄によっては高額
・情報収集や売買判断に時間と手間が必要
・信託報酬など保有中のコストがかかる
・換金までに数日かかることが多い
・市場環境によっては元本割れのリスクがある

3. 最低購入金額と購入方法

次に、それぞれの最低購入金額と購入方法について解説します。

3.1 株式投資は単元株とミニ株がある

株式投資は通常100株単位(単元株)での購入が基本となります。たとえば株価が1000円の銘柄であれば、最低10万円(1000円×100株)が必要です。

一方、SBI証券や楽天証券などのネット証券では、1株から買える「ミニ株(証券会社によって呼称が異なる)」があります。1株から買えるため上記の銘柄の場合、1000円で株を買えることになります。そのため、単元株よりも分散投資がしやすいといえます。

株式は、証券会社での口座開設後、指値注文や成行注文によって売買を行います。

3.2 投資信託は100円から積立できる

投資信託は、金融機関によっては100円という小額から積立投資を始められます。購入先は証券会社や銀行、ネット証券などが一般的で、毎月の自動積立設定を行えば、忙しくても続けやすいのが特徴です。ただし、購入時や保有中に手数料が発生する場合もあるため、コスト面を確認してから選びましょう。

4. 株式投資と投資信託、あなたはどちらが向いている?

上記の特徴を踏まえると、それぞれに向いている人は以下のようになります。

4.1 株式投資が向いている人

細かな値動きや市場のニュースをチェックするのが好きで、企業分析や経済動向を追う時間を確保できる人には株式投資が向いています。短期間で値上がり益を狙うことが可能で、保有銘柄が大きく成長すればリターンは大きくなる反面、リスクも高めです。大きな収益を得たいという意欲や銘柄分析への興味がある方におすすめといえます。

4.2 投資信託が向いている人

投資の専門知識や長い分析時間を確保しにくい人にとって、投資信託は始めやすい選択肢です。少額からコツコツ積み立てられ、運用はファンドマネージャーが代行します。分散投資の効果も得やすく、市場の値動きに一喜一憂せず長期的に資産形成を目指したい人や、手間を極力抑えたい人に向いているでしょう。

【無料】あなたに合うのは株?投資信託?質問に答えて3分で診断

5. 株式投資vs投資信託:ケース別の選び方

5.1 リスクを抑えて安定を目指すなら投資信託

「値動きをなるべく小さく抑えながら資産を増やしたい」場合では、投資信託が有利です。複数の資産や地域に分散できるため、値下がりリスクが一部で発生しても全体への影響を抑えやすいためです。特に長期や積立投資と相性がよく、ドルコスト平均法を活用しやすい点もメリットです。

5.2 短期で大きく増やしたいなら株式投資

「短期間で資産を増やしたい」「値動き自体を楽しみたい」という方には株式投資に向いています。リスクは高まりますが、思惑が当たれば短期間でも大幅なキャピタルゲインが得られる可能性があります。ただし、企業の倒産リスクや急な相場変動に備えて冷静に判断する姿勢が不可欠です。

5.3 忙しくて時間が取れないなら投資信託

頻繁に相場をチェックできない人にとって、運用のプロに任せられる投資信託は便利です。毎月の積立設定をしておけば、あとは定期的に運用報告書を確認するだけでおおむね状況を把握できます。手間を大幅に削減しながら着実に投資を続けたい方にも安心です。

5.4 資産を広く割り振りたいなら併用もあり

ある程度の投資資金がある場合は、株式投資と投資信託の併用も選択肢に入ります。株式投資で高いリターンを狙いつつ、投資信託で分散投資を行えば、リスクとリターンのバランスを調整しやすくなるでしょう。年齢やライフステージ、目標額などを踏まえて、適切な配分を考えることで安定的な運用を目指せます。

6. 株式投資・投資信託で失敗しないためのポイント

株式投資、投資信託、それぞれに特徴があり、運用にも欠かせない要点があります。ここでは、失敗しないためのポイントを紹介します。

6.1 株式投資の場合

1. 余裕資金を活用する
生活費や緊急時の予備費と投資資金を分けましょう。必要なお金を投資に回すと、急な値下がり時に売却を迫られかねません。

2. 明確な売買ルールを決める
損切りラインや利確タイミングを先に定めておくことで、感情に左右されず冷静に判断できます。

3. 分析と情報収集を欠かさない
投資先の企業情報や市場動向を自分で確認できるようにしましょう。そして、常に動向をチェックするようにしましょう。

【無料】あなたに合うのは株?投資信託?質問に答えて3分で診断

6.2 投資信託の場合

1. 投資目的を明確にする
老後資金や教育資金など何のためにいくら必要なのか決めると、投資信託の種類を選びやすくなります。

2. 長期運用を意識する
毎月の積立など、小さな金額を長期間継続することで複利効果が期待できます。短期的な値動きに惑わされず続けるのがコツです。

3. 運用レポートを定期的に確認
月次レポートや運用報告書をチェックし、状況に応じて積立額を見直すことも大切ですが、焦って乗り換えすぎないようにしましょう。

6.3 自分に合った投資の見つけ方

自分に合った投資を見つけるには、まず何のために、いつまでに、どれだけの資産を築きたいのかという目的と目標額を明確にすることが大切です。併せて、自分がどの程度の損失まで許容できるかというリスク許容度も把握しておきましょう。これは性格や年齢、家族構成などによって異なり、無理のないリスク設定が重要です。

また、投資に回すお金は、生活費などに支障のない余裕資金を使うことが前提です。急に使う予定のあるお金は避け、生活防衛資金を確保したうえで、長期的に使う予定のない資金を投資に充てると、安定した運用がしやすくなります。

7. まとめ

株式投資と投資信託は、ともに資産形成に役立つ代表的な手段ですが、短期で高リスク・高リターンを追うか、長期でコツコツと積立・分散するかなど、運用スタイルは大きく異なります。

まずは自分の目的やリスク許容度、確保できる投資資金と時間などを整理して、どちらが合っているか考えてみましょう。

そして、専門家への相談などで情報収集を続けながら少額から始め、状況に合わせて運用スタイルを調整していくことが成功のカギです。

【無料】あなたに合った資産運用はどれ?質問に答えて3分で診断

マネイロ編集部