野球のWBCが終わり、次のラグビーW杯が待ち遠しい筆者ですが、それとは違い、老後がやってくるのは非常に先延ばししたいと感じている方も多いのではないでしょうか。

早く時間が経ってほしいものとそうではないもの。その違いは将来のプランを考えたときに不安があるからではなのかもしれません。

自分自身の受給見込額を「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で把握されている方も多いでしょう。

老齢年金の金額は世帯単位で把握しておくことも大切です。夫婦世帯なのか、シングル世帯なのか、また、今までの働き方や収入などによって老齢年金の受給事情は大きく異なります。

今回は年金のしくみを整理したあと、世帯構成と年金の種類によって老齢年金の受給パターンを8つに分け、それぞれの世帯の受給額を試算します。

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1. 公的年金制度の基本を整理

まずは公的年金の基本を整理しましょう。

1.1 公的年金制度は「2階建て」

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

公的年金制度は国民年金と厚生年金で構成されており、「2階建て構造」などと呼ばれています。

国民年金(1階部分)

  • 加入対象:原則、日本に住む20歳から60歳未満の方
  • 保険料:一律(年度ごとに見直しが行われます)
  • 年金額:満額79万5000円(令和5年度の年額)✕調整率(未納期間がある場合は減額調整)

厚生年金(2階部分)

  • 加入対象:主に会社員、公務員など
  • 保険料:報酬比例制(毎月の報酬により決定)
  • 年金額:加入期間や納付保険料により決定(国民年金の上乗せとして支給)

2階部分の厚生年金に関しては、現役時代の収入や、厚生年金加入期間により個人差が生じます。国民年金より男女差があるのも厚生年金の特徴になっています。

1.2 公的年金は「いつ」支給されるの?

出所:LIMO編集部作成

公的年金は、「偶数月の15日(※)」に、前月までの2カ月分が支払われます。つまり、「4月分と5月分」が6月15日に支給されるということです。

2023年度の公的年金額は3年ぶりにプラス改定となりましたね。この引き上げ率は、6月に支払われる「4月・5月分」から適用されます。

※15日が土日祝日の場合は直前の平日に前倒しとなります。