5.厚生年金・国民年金「シングル or 夫婦世帯」で受給額試算
次に、男女それぞれの平均年金月額を受け取った場合の「世帯の年金額」を、世帯構成・年金種別ごとに試算してみましょう。
5.1 シングル世帯で年金を試算
- 男性・厚生年金:16万3380円
- 男性・国民年金:5万9013円
- 女性・厚生年金:10万4686円
- 女性・国民年金:5万4346円
この試算額はあくまで男女それぞれの平均額です。シングル世帯の場合、フルタイムで働き続ける女性の割合は多いでしょうから、「厚生年金の男女差」については、縮まる可能性が高いです。
5.2 夫婦世帯で年金を試算
- 夫婦とも厚生年金:26万8066円(夫:16万3380円+妻:10万4686円)
- 夫が厚生年金+妻が国民年金:21万7726円(夫:16万3380円+妻:5万4346円)
- 夫が国民年金+妻が厚生年金:16万3699円(夫:5万9013円+妻:10万4686円)
- 夫婦ともに国民年金:11万3359円(夫:5万9013円+妻:5万4346円)
夫婦世帯の場合、夫が厚生年金に加入しているケース以外は、いずれも10万円台となりました。
5.3 パートタイムで厚生年金に加入する発想も
働き方が多様化するこんにち。家庭と仕事を両立させるために、働く時間をコントロールしながら扶養内でパート勤務をする人も多いでしょう。
近年ではアルバイト・パートタイムの人への厚生年金(社会保険)の適用が拡大されています。
- 2022年10月~:従業員数101人以上規模の企業で、一定条件を満たす方
- 2024年10月~:従業員数50人以上規模の企業で、一定条件を満たす方
勤務先の規模や働き方次第では、厚生年金へ加入し、将来の年金額を増やすことも可能です。
もちろん、税負担を抑えるために扶養内で働くのもひとつの選択肢ですが、将来を見据えて厚生年金への加入を検討するのは効果的な自己防衛とも言えるのではないでしょうか。
6. まとめにかえて
今回は、厚生年金・国民年金「平均的な世帯」は月額いくらかシミュレーションしてみました。
終身で受け取れる公的年金は、老後の暮らしを支える基本の柱となることは確かです。しかし、ゆとりあるセカンドライフを実現させるためには、年金以外の蓄えが必要となる世帯が大多数であると言えそうです。
ときに数千万円が必要と言われる老後資金の準備は、先手先手で進めていけるとよいですね。
まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でご自身の受給見込額を把握しておきましょう。資産づくりのゴールを決める第一歩となるでしょう。
参考資料
足立 祐一