将来の生活を支えてくれる「公的年金」は身近な存在である一方、制度が複雑ということもあり、詳細を知らないという方も少なくありません。
年金保険料の負担は重いため、将来はそれに見合った年金を受給したいと思う方も多いでしょう。
「年金を増やす」という視点はとても大切ですが、「もらい忘れそうな年金がないか」という確認も重要です。
今回は年金の「持ち主不明記録」について解説し、その確認方法を押さえていきます。
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1. 厚生年金や国民年金等の「持ち主不明記録」とは
私達が加入する年金の加入記録は、基本的に国がコンピュータにより管理しています。
しかし、記録されている年金の中には持ち主がわからないデータもあるのです。
これを、年金の「持ち主不明記録」と言います。
1997年に行われた基礎年金番号の導入により、それまでばらばらに管理されていた各年金制度に共通の番号が振り分けられました。
しかし、持ち主がわからない「未統合記録」の存在が5000万件以上あるとわかり、当時は「消えた年金」などと騒がれたため、記憶に新しい方もいるでしょう。
その後の統合作業で判明した分もありますが、いまだに持ち主が不明という年金記録が残ります。
日本年金機構の報告によると、約5000万件の未統合記録のうち、基礎年金番号に統合済みの記録は2069万件(2023年1月末時点)とのこと。
少なくとも、延べ403万人はこれにより年金額が増えたとしています。
まだ持ち主が不明となっている年金記録が残っているため、心当たりがある方は早急に確認した方がいいでしょう。