三菱商事(8058)の株価は2022年末から足元にかけて堅調に推移しています。

2022年最終営業日に当たる12月30日(終値。以下も特記ない限り全て終値べース)は4283円で、2023年4月21日は4984円なので、この間の上昇率は16.4%となります。

ただし、年初来高値は3月7日の5100円で、この時の2022年末からの上昇率は19.1%です。

三菱商事の2022年末以降の株価の推移(終値ベース:円)2022年12月30日~2023年4月21日1/5

三菱商事の2022年末以降の株価の推移(終値ベース:円)2022年12月30日~2023年4月21日

出所:各種資料をもとに筆者作成

三菱商事は堅調な業績および見通し、増配などが株価の下支え要因となり、株価は総じて右肩上がりの推移となったと考えられます。

2023年3月には米地方銀行のシリコンバレーバンクの破綻などによるグローバルな株安の波及で下落する局面がありましたが、一過性のものにとどまり、再び株価は上向き始めていると考えられます。

今回は三菱商事の株価について見ていきましょう。

※記事中で記載の株価は全て終値となっています。
※株式分割の影響は全て遡及修正して株価を調整しています。

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1. 【三菱商事の株価(8058)】堅調な業績および見通し、増配方針が下支えか

三菱商事は足元おおむね堅調な業績を示していました。

2022年11月に発表された2022年度第2四半期のセグメント別・全体の純利益は金属事業を筆頭に多くの事業が増益となり、全体も3594億円と大幅な増益となっています(いずれも純利益ベース)。

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出所:三菱商事株式会社「2022年度第2四半期決算IR資料」をもとに筆者作成

出所:三菱商事株式会社「2022年度第2四半期決算IR資料」をもとに筆者作成

特に増益幅の大きな金属事業では、オーストラリアの原料炭価格の上昇が正常に価格転嫁されていて、金属市況が堅調であったことがあげられています。

この要因は2023年2月に発表された次の2022年度第3四半期決算でも示されていて、好影響が持続している様子が伺えます。

今後も良好な事業環境が見込まれることを背景に、三菱商事では、年間の業績見通しを下記の通り引き上げています。

三菱商事の主要事業・合計の業績見通しの推移3/5

三菱商事の主要事業・合計の業績見通しの推移

※見通し上方修正幅の大きい事業から主な事業を抽出

出所:三菱商事株式会社「2022年度第2四半期決算IR資料」「2022年度第3四半期決算説明会資料」をもとに筆者作成

こうした堅調な業績を背景に、2023年2月に発表された増配も投資家に好感されていると考えられます。

2022年11月時点の配当予想であった年間配当155円から、180円に引き上げられたことで、前年の150円から+30円の増配となる見通しに。現時点で三菱商事が公表している資料で確認できる限りでは、少なくとも2016年以降6年連続で増配となる見通しです。

以上のような好業績や株主還元への姿勢が、三菱商事の株価を下支えする原動力となっていると思われるでしょう。

2. 三菱商事へのSVB(シリコンバレーバンク)の破綻とクレディ・スイス買収の波及は

2023年3月に発生した米シリコンバレーバンクの破綻やクレディ・スイスの買収は、グローバルな金融セクターの株安要因となりました。三菱商事は金融セクターの企業ではないため直接的な影響は想定されていません。

しかし、世界的な大手金融グループが危機的な状況に陥ったことで、一時は金融危機のような経済不安に陥るリスクが懸念されて幅広いセクターの株価が下落したため、三菱商事も3月の初めから半ばにかけては一時的に株安にみまわれたと思われます。

三菱商事と日経平均の株価推移:2022年2月15日~2022年4月1日4/5

三菱商事と日経平均の株価推移:2022年2月15日~2022年4月1日

出所:各種資料をもとに筆者作成

上図のように日経平均株価と似たような値動きとなっていることからも、三菱商事固有の要因ではなく、マーケット全体への懸念が波及する形で下落に至っていると思われます。

ただし、3月後半にかけて追加の悪材料がなくなると、他社に波及することへの過度な不安は後退し、三菱商事の株価は回復に向かったと考えられるでしょう。

3. 三菱商事のPBRはどれくらいか

最後に三菱商事のPBR(株価純資産倍率)を確認しましょう。

同指数は株価と純資産の価値を比較するものですが、2021年3月末は0.82、2022年3月末は0.99、2022年12月末は0.78となっています。

三菱商事のPBRの推移5/5

三菱商事のPBRの推移

出所:三菱商事「2022年度第2四半期決算」、三菱商事「2020年度通期決算」記載の一株当たり資本を株価で割り試算

 

今回確認したように、株価については業績についても詳しくみていきましょう。

参考資料 

宮野 茉莉子