2. 三菱商事へのSVB(シリコンバレーバンク)の破綻とクレディ・スイス買収の波及は
2023年3月に発生した米シリコンバレーバンクの破綻やクレディ・スイスの買収は、グローバルな金融セクターの株安要因となりました。三菱商事は金融セクターの企業ではないため直接的な影響は想定されていません。
しかし、世界的な大手金融グループが危機的な状況に陥ったことで、一時は金融危機のような経済不安に陥るリスクが懸念されて幅広いセクターの株価が下落したため、三菱商事も3月の初めから半ばにかけては一時的に株安にみまわれたと思われます。
上図のように日経平均株価と似たような値動きとなっていることからも、三菱商事固有の要因ではなく、マーケット全体への懸念が波及する形で下落に至っていると思われます。
ただし、3月後半にかけて追加の悪材料がなくなると、他社に波及することへの過度な不安は後退し、三菱商事の株価は回復に向かったと考えられるでしょう。
執筆者
株式会社ナビゲータープラットフォーム メディア編集本部
LIMO編集長/2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)
1984年生まれ。群馬県出身。東京女子大学哲学科卒業後、2008年に野村證券株式会社に入社。支店にてファイナンシャル・コンサルティング課に配属され、国内外株式、国内外の債券、投資信託、保険商品などの販売を通じ、主に富裕層や個人顧客向けに資産運用コンサルティング業務に従事し、顧客のライフプランに寄り添った提案を行った。2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
現在は株式会社ナビゲータープラットフォームが運営する「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」編集長。LIMOでは資産運用や老齢年金、貯蓄、NISA、iDeCo、キャリア、転職などをテーマに企画・編集・執筆を行う。3児の母。中学・高校社会科(公民)教員免許保有(2024年6月1日更新)。