1. 【三菱商事の株価(8058)】堅調な業績および見通し、増配方針が下支えか

三菱商事は足元おおむね堅調な業績を示していました。

2022年11月に発表された2022年度第2四半期のセグメント別・全体の純利益は金属事業を筆頭に多くの事業が増益となり、全体も3594億円と大幅な増益となっています(いずれも純利益ベース)。

出所:三菱商事株式会社「2022年度第2四半期決算IR資料」をもとに筆者作成

特に増益幅の大きな金属事業では、オーストラリアの原料炭価格の上昇が正常に価格転嫁されていて、金属市況が堅調であったことがあげられています。

この要因は2023年2月に発表された次の2022年度第3四半期決算でも示されていて、好影響が持続している様子が伺えます。

今後も良好な事業環境が見込まれることを背景に、三菱商事では、年間の業績見通しを下記の通り引き上げています。

三菱商事の主要事業・合計の業績見通しの推移

※見通し上方修正幅の大きい事業から主な事業を抽出

出所:三菱商事株式会社「2022年度第2四半期決算IR資料」「2022年度第3四半期決算説明会資料」をもとに筆者作成

こうした堅調な業績を背景に、2023年2月に発表された増配も投資家に好感されていると考えられます。

2022年11月時点の配当予想であった年間配当155円から、180円に引き上げられたことで、前年の150円から+30円の増配となる見通しに。現時点で三菱商事が公表している資料で確認できる限りでは、少なくとも2016年以降6年連続で増配となる見通しです。

以上のような好業績や株主還元への姿勢が、三菱商事の株価を下支えする原動力となっていると思われるでしょう。