小学2年生の子供を参加させたという40代の会社員は「うちの子供はまだ小さいのですが、今回の体験はためになったと思います」と話します。何よりも普段電子マネーを使うシーンを見ていた子供が「お金はスマホから湧いて出てくる」という感覚を持っていることに不安を覚えたことが参加を後押ししたといいます。「今の子供はデジタルネイティブで何でも使いこなせるけれど、バーチャルのお金と実際の小銭や紙幣の価値は一緒だということはわかっていないようなのです。現金を使って学べるこの機会は貴重だと感じました」。
また、小学1年生の子供を参加させた自営業を営む30代女性も「子供がSuicaやクレジットカードを使ったときなどに『なんだこのお金が出てくる魔法のカードは!』と感じたようなので、利用するときは気を付けています」といいます。最近子供がお金に興味を覚え始め「どうしたらお金が手に入るのか、モノを売ったり買ったりする仕組みなどにも興味があるようなので、お手伝いをしてもらっています。今回は実際にモノを売るという経験ができてよかったと思います」と話してくれました。
一方、実際の経営者は、子供たちの様子をどのように見ていたのでしょうか。子供たちから駄菓子を買っていたFINOLABに入居するベンチャー企業の経営者は「親からお金が無尽蔵に湧き出てくる気分のまま社会人になって『稼ぐ』感覚を持てていない人は40~50代でも意外と多いものですよ。子供のうちから稼ぐ感覚を身につけるって大事だと思いますね」と話していました。
まとめ
日本の金融教育の遅れが指摘されて久しいですが、今後はこのような金融リテラシー向上のための教育も次第に広がっていきそうです。FINOLAB担当者も「今回は金融リテラシーを高める目的で、まずは子供向けに体験を通した企画を第1弾として開催しました。今後、『親子向け』なども実施していきたい」と話しています。
それにしても、電子マネーを当たり前に使う世代が大人になれば、お金についての感覚は今の時代のそれとはまったく異なるものになりそうです。普段お金について子供と話をする機会がないという方も、機会を見つけて一度じっくり話しあってみても良いかもしれませんね。
LIMO編集部