8月21日、東京・大手町で一風変わった子供向けの「経営体験イベント」が行われました。
これは、日本初のFinTechラボであるFINOLAB(フィノラボ)協力のもと、一般社団法人子供教育創造機構 キンダリーインターナショナルが開催したものです。
テーマは「みんなが大好きな駄菓子屋!」。本物の現金を使い、資金調達、商品の仕入れ、値付け、販売という駄菓子屋さんの「経営体験」をする中で、大人がやっている仕事やお金、社会について学ぶという内容です。参加した約15人の子供たちは3つのチームに分かれ、FINOLABのエントランスに設けられたスペースで駄菓子屋の売り子として、訪れる大人たちに実際に駄菓子を販売しました。
ところで、このイベントに子供を参加させた親たちにその理由を聞くと、イマドキの子供ならではの金銭感覚に不安を覚えたから、といった話も聞こえてきます。
「働く意味って?」「お金はどこから?」を、駄菓子を売って考える
今回このイベントに協力したFINOLABによると、そもそもこのイベントには2つの狙いがあったといいます。1つは「日本の金融教育の遅れに対するフォロー」、そしてもう1つは「働く意味を学ぶこと」。特に共働き家庭をイメージして企画をしたといいます。
FINOLAB担当者は「たとえば共働き家庭の子供の場合、日常では両親が働きに出ていて不在ということが多いと思います。そこから『仕事とは何か』『どうやってお金を得ているのか』といったことを子供自らも実体験し、考える場を作れないかと考えました」と話します。現金での販売活動を行うことで、単なる「ごっこ遊び」ではない「稼ぐ感覚」を記憶してもらうことも狙ったものだといえそうです。
イベントのまとめでは、参加した子供たちから「仕入れの時には美味しさや値段にこだわった」「お菓子がきれいに見えるよう、明るい場所にお店を出した」「同じ値段にしないように工夫した」「声かけをしたらよく売れた」「お菓子を組み合わせてセット販売したら売れた」「他の店を見て値段を見直した」などという発表がありました。やりくりする難しさだけでなく、お金を稼ぐ喜びを皆一様に体験できたようです。
「スマホからお金が湧き出てくる」感覚に不安を覚える親たち
では、なぜ親たちは今回のイベントに参加させたのでしょうか。