2. 「老後2000万円問題」老後に2000万円は必要なのか?
先ほど見たとおり、65歳以上・二人以上世帯の貯蓄平均は2000万円を超えていました。
かつて話題となった「老後2000万円問題」は、平均額ではクリアしていますね。とはいえ、お金事情は人それぞれですから、「老後にいくら必要」と一括りでいうことはできないでしょう。
ここで、2019年に世間の注目を集めた「老後2000万円問題」をおさらいしておきましょう。
2.1 「老後2000万円問題」とは
2019年、金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回 厚生労働省提出資料)から端を発した「老後2000万円問題」。
ひらたくいうと、標準的な夫婦世帯が老後30年に必要な生活費は、公的年金に加えて「2000万円」という内容でした。2017年の「家計調査」の結果に基づき試算されたものです。詳しく見ていきましょう。
2.2 前提条件
高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)
- 実収入(主に年金):20万9198円
- 実支出(主に食費):26万3718円
- 月々の赤字額=約5万5000円
老後必要額=5万5000円×12カ月×30年(老後30年と仮定)=1980万円≒約2000万円
このモデルケースの世帯の家計収支を見ると、その収入のほとんどを年金が占めています。食費などを差し引くと毎月5万5000円の赤字が出る計算に。
老後生活を30年間として計算すると、トータルの赤字は「約2000万円」。これが「2000万円」という金額の根拠です。これを老後資金の一つの目安として、リタイアまでの貯蓄目標額を「2000万円」と設定された世帯もあるでしょう。
ここで気になるのが「2000万円」があれば老後は安泰なのか、という点ですね。
実は、老後に多くの人が必要とする出費には、「2000万円」の算出根拠に含まれていない項目がいくつかあります。次ではこの「老後2000万円問題」の盲点とも言える部分に触れていきます。