厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると国民年金の平均月額は5万6368円、厚生年金の平均月額は14万3965円です。
長い老後生活を送る上で貴重な収入源となる年金。とはいえ、現職時代の収入と比べて将来に漠然とした不安を覚える方も多いでしょう。
高齢者の就業率は上昇を続けています。もちろん、働くシニアを後押しする制度の整備が進んでいることも背景として考えられるでしょう。とはいえ、やはり公的年金だけで生活を送ることが難しい世帯が多いという現実もうかがえますね。
「人生100年時代」と呼ばれる長寿時代、年金生活を支える老後資金を「自助努力」で準備する意識を高める人が増えています。
では、実際に年金生活を送る「65歳以降の無職世帯」の平均的な貯蓄はどの程度なのでしょうか。今回は、「65歳以降の無職世帯」の貯蓄額の確認や、老後資金を考えるポイントについても考察していきます。
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1. 【65歳以降の無職世帯】平均的な貯蓄額とは?
公的年金の一般的な受給開始年齢は65歳ですね。そこで、まずは「65歳以降の無職世帯」の貯蓄額を、総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)―2021年(令和3年)平均結果―(二人以上の世帯)」から確認していきます。
2016年以降の推移を見ると、2000万円台前半が続いており、2021年は2342万円です。つづいて、貯蓄の中身(内訳)も確認していきましょう。
1.1 【無職世帯】65歳以上の貯蓄額の内訳は?
- 通貨性預貯金:623万円(26.6%)
- 定期性預貯金:924万円(39.5%)
- 生命保険など:403万円(17.2%)
- 有価証券:388万円(16.5%)
- 金融機関外:4万円(0.2%)
最も多いのは預貯金で半分以上を占めています。その後に生命保険と有価証券と続いています。この割合も2016年から大きな変化なく推移しています。