4. 資産を増やすコツ・その1 「ゴールを知る」
「人生100年時代」と言われる長寿時代に老後を過ごす私たち。公的年金や退職金だけに頼ることなく、自分自身で老後に向けた資産づくりを行う姿勢が求められています。
この「自助努力」による資産形成を考える上でまずポイントとなるのが、「ゴールを知る」ことです。
理想の老後に必要な資金がどのくらいになるのか各家庭で異なります。まずは年金見込額や貯蓄状況を把握し、「2000万円」という数字を鵜呑みにすることなく、世帯ごとの貯蓄ゴールを作っていく必要があるでしょう。
5. 資産を増やすコツ・その2「資産運用でお金にも働いてもらう」
ポイントの2つ目は「資産運用」です。
日本人は預貯金を好むと言われますが、超低金利が続くいま、銀行などの預貯金につく金利はごくわずか。リターンは期待できません。
そこで視野に入れたいのが、資産運用で「お金にも働いてもらう」しくみづくりです。
たとえば「毎月3万円・年利3%・30年間」で運用できた場合、元本1800万円が約3000万円にふくらみます(金融庁「資産運用シミュレーション」にて試算)。
ひと月の収入から貯蓄に回せる金額は限られていますが、貯める方法次第では、より大きなリターンも期待できます。もちろん資産運用には元本割れのリスクがある点は理解しておく必要がありますが、複利のチカラを借りて効率よく資産を育てていけるとよいですね。
6. まとめにかえて
今回は、一般的な年金受給開始年齢である「65歳以降の無職世帯」の貯蓄額を眺めたあと、資産を増やすコツを整理してお伝えしました。
長寿時代をより豊かに過ごすためには、公的年金以外の老後資金の準備は欠かせないものとなってくるでしょう。複利のチカラでお金を育てるためには、運用期間を長くとることが一つのポイントです。
まずはご自身の「ゴール」を設定し、先手先手で老後を見据えたお金の準備を進めていきましょう。
参考資料
- 総務省「統計トピックス No.129 統計からみた我が国の高齢者」
- 金融審議会「市場ワーキング・グループ」(第21回)厚生労働省提出資料
- 公益財団法人生命保険文化センター〈「生活保障に関する調査」/令和元年度〉
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」
徳原 龍裕