4. 【老齢年金】国民年金・厚生年金の「みんなの年金月額・平均と分布」

ここからは2022年12月に公表された厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、最新の年金受給額についてみてみましょう。まずは「国民年金」から。

4.1 国民年金「みんなの年金月額・平均と分布」

全体平均年金月額:5万6368円

  • 男性平均年金月額:5万9013円
  • 女性平均年金月額:5万4346円

男女間による平均年員月額にはほとんど差がないことがわかります。では、受給額ごとの人数分布はどうなっているでしょうか。

4.2 国民年金の受給額/1万円ごとの人数分布

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 1万円未満:7万27人
  • 1万円以上~2万円未満:28万4152人
  • 2万円以上~3万円未満:90万3006人
  • 3万円以上~4万円未満:274万9550人
  • 4万円以上~5万円未満:463万6048人
  • 5万円以上~6万円未満:791万730人
  • 6万円以上~7万円未満:1500万3006人
  • 7万円以上~:187万2466人

ボリュームゾーンは6万円以上7万円未満となっています。

令和3年度の満額が年間78万900円(月額約65000円)であることを考えると、満額に近い国民年金を受給している方が多いことがわかります。

続いて、2階部分といわれる「厚生年金」についても確認してみます。

4.3 厚生年金「みんなの年金月額・平均と分布」

全体平均年金月額:14万3965円

  • 男性平均年金月額:16万3380円
  • 女性平均年金月額:10万4686円

※国民年金の金額も含む

4.4 厚生年金の受給額/1万円ごとの人数分布

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 1万円未満:9万9642人
  • 1万円以上~2万円未満:2万1099人
  • 2万円以上~3万円未満:5万6394人
  • 3万円以上~4万円未満:10万364人
  • 4万円以上~5万円未満:11万1076人
  • 5万円以上~6万円未満:16万3877人
  • 6万円以上~7万円未満:41万6310人
  • 7万円以上~8万円未満:70万7600人
  • 8万円以上~9万円未満:93万7890人
  • 9万円以上~10万円未満:113万5527人
  • 10万円以上~11万円未満:113万5983人
  • 11万円以上~12万円未満:103万7483人
  • 12万円以上~13万円未満:94万5237人
  • 13万円以上~14万円未満:91万8753人
  • 14万円以上~15万円未満:93万9100人
  • 15万円以上~16万円未満:97万1605人
  • 16万円以上~17万円未満:101万5909人
  • 17万円以上~18万円未満:104万2396人
  • 18万円以上~19万円未満:100万5506人
  • 19万円以上~20万円未満:91万7100人
  • 20万円以上~21万円未満:77万5394人
  • 21万円以上~22万円未満:59万3908人
  • 22万円以上~23万円未満:40万9231人
  • 23万円以上~24万円未満:27万4250人
  • 24万円以上~25万円未満:18万1775人
  • 25万円以上~26万円未満:11万4222人
  • 26万円以上~27万円未満:6万8976人
  • 27万円以上~28万円未満:3万9784人
  • 28万円以上~29万円未満:1万9866人
  • 29万円以上~30万円未満:9372人
  • 30万円以上~:1万4816人

国民年金とは違い、厚生年金では男女間の差が浮き彫りとなりました。また個人差が非常に大きいこともわかります。

厚生年金は現役時代の収入や加入期間が大きく影響するため、今のシニア世代では男女差が大きい結果となりました。

今は結婚や出産後も働く女性が多くなっており、徐々に男女間の差については埋まっていくのではないかと予想されます。

5. 年金の手取り収入は「ねんきん定期便」では分からない

老齢年金にまつわるデータまとめ

出所: 日本年金機構「国民年金保険料」、厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」」をもとにLIMO編集部作成

今回は、「ねんきん定期便」や「年金振込通知書」のチェックポイントなどを整理しながら、いまのシニアが受け取る年金額についても眺めてきました。

老後の生活を考えた場合、老齢年金だけで十分!と自信を持って言える世帯は決して多数派ではないでしょう。少子高齢化、そして昨今の物価上昇などを見ると、老後のお金対策をより丁寧に行っていく必要がありそうですね。

まずは「ねんきん定期便」でご自身がどの程度の年金額を見込めそうか把握してみましょう。老後に向けた貯蓄目標額を設定するための大切な準備です。

また「ねんきん定期便」で分かる金額はあくまでも「見込額」。老後の年金からも差し引かれる税金や社会保険料がある点も、覚えておきましょう。

参考資料

荻野 樹