厚生労働省によれば、2023年度の年金額は67歳以下は前年度から2.2%、68歳以上は1.9%の引き上げとなります。
国民年金は満額で68歳以上の方は6万6050円、厚生年金はモデル夫婦(2人分の国民年金と厚生年金)で22万4482円になるわけですが、物価の上昇には追いついていません。
帝国データバンク「4月から1世帯「月2000円」食費負担増の試算」によれば、4月以降約9000品目が値上げされる予定とのことです。
2022年の食品値上げ品目数は2万5768品目で、2023年は累計1万8544品目(3月31日時点)となっており、食品だけでも数多くの値上げに家計が厳しい方は多いでしょう。
年金増額も物価高に追いつかないとなれば、貯蓄などが重要となりますが、年金生活を送る現代の70歳代はどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
70歳代「二人以上世帯」貯蓄の平均と中央値はいくら?
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和4年調査結果」をもとにLIMO編集部作成
今回は金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和4年調査結果」をもとに、70歳代の貯蓄を確認します。
70歳代・二人以上世帯の貯蓄の平均と中央値
- 平均:1905万円
- 中央値:800万円
まず二人以上世帯の貯蓄は平均で2000万円近くですが、これには一部の富裕層の影響もあります。
より実態に近い中央値を見ると800万円まで下がりました。
貯蓄3000万円以上は18.3%でしたが、一方で貯蓄ゼロ世帯も18.7%でした。
70歳代「ひとり世帯」貯蓄の平均と中央値はいくら?
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査]令和4年調査結果」をもとにLIMO編集部作成
次に金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」よりひとり世帯の貯蓄を確認します。
70歳代ひとり世帯の貯蓄の平均と中央値
- 平均:1433万円
- 中央値:485万円
ひとり世帯は平均・中央値ともに二人以上世帯より下がりますが、中央値は500万円以下となりました。
貯蓄3000万円以上は16.1%と二人以上世帯と大差ないですが、貯蓄ゼロ世帯は28.3%と約10ポイント増えています。
70歳以上で働く割合は18.1%
現代は60歳代でも働く方が多く、また60歳代であれば貯蓄もある程度あると想定される方もいるでしょう。
一方で、70歳代になれば仕事を辞める人も増えてきます。
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出所:総務省統計局「2.高齢者の就業」
総務省によれば、2021年の70歳以上で働く割合は18.1%です。2012年の13.1%に比べて増えていますが、それでも70歳以上は約8割がリタイアしています。
長く働き続けたくでも、年齢を重ねると自分の思う通りにはいかないこともあるでしょう。「働けなくなったとき」に備えることも重要です。
リタイア後のための資産形成を
自分が働けなくなったあとには公的年金や私的年金、貯蓄、資産運用などが生活を支えてくれることになります。
「人生100年時代」といわれる現代において、上記について早くはじめて備えていくことが大切でしょう。
公的年金に対する不安は年々増しますが、受給開始より生涯受け取れるのはメリットです。厚生年金に加入する、収入を増やすなどして将来の受給額を増やす工夫をすることも大切でしょう。
一方で公的年金のみには頼れない方が大半ですから、私的年金や貯蓄、資産運用などで早くからコツコツ備えていくことも大切です。
国の税制優遇制度であるiDeCoやNISAは運用になり(iDeCoは元本確保型もあり)、リスクがありますが、老後資金に備える方法としては有効です。
2024年から新NISAも始まる予定ですから、まずは情報収集からはじめていきましょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯](令和4年)各種分類別データ」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 厚生労働省「令和5年度の年金額改定についてお知らせします」
- 帝国データバンク「4月から1世帯「月2000円」食費負担増の試算」
- 総務省統計局「2.高齢者の就業」
宮野 茉莉子
