若者言葉を中心に関西弁はまだまだ浸透中

関西弁は、若者言葉としても全国的に広まっています。掲示板やSNSなどで使う「インターネットスラング」「打ち言葉」から、次第に「話し言葉」となった言葉もあるようです。

話し言葉で語呂がいい、感情を乗せやすいといった理由から、関西弁は若い世代からも支持を集めています。

2022年には、「知らんけど」がユーキャン新語・流行語大賞2022でトップ10入りを果たしました。

ここでは、若者を中心に浸透しつつある関西弁を、いくつかピックアップします。

1. 「それな」

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「それな」は、相手の発言に対して「そうそう」「その通り」「そうだよね」と同意するときや、相槌を打つときによく使います。

「それな」の「な」は、文中や文末に付けて語調を整える間投助詞。東日本の言い回しでは「ね」が該当し、「明日ね、公園でね」というフレーズが、関西弁では「明日な、公園でな」となります。

「それな」が広まった理由の1つは、やはりSNS。短文でスピーディーに、なおかつ程よく砕けた雰囲気でやり取りするため、浸透したと考えられます。

「それなるほど」が短縮されたという説もありますが、関西弁の影響もあると推察されます。

2. 「ゆうて」

続いて紹介するのは、「ゆうて」。共通語だと、「そうは言っても」「とは言っても」という意味になります。

若い世代だと、「今日、お弁当持ってくるの忘れた」という友達の発言に対し、「ゆうて今からコンビニに行ったら間に合うんじゃない?」のように、普段の会話で使ったことがある人もいるのではないでしょうか。

一方で、「関西弁の「ゆうて」と若者言葉の「ゆうて」では発音が違う」との声も。

関西弁の「ゆうて」は「ゆ」が高音になるのに対し、若者言葉の「ゆうて」には高音がなく独特のアクセントがあるとのこと。

関西弁のなかには、同じ字面・異なる発音で広まっている言葉もあるようですね。

あなたにとって身近な関西弁は?

今回は、全国的に広まっている関西弁の一例を紹介しました。

近畿地方での使用率が上がると、近畿に近い地域ほど他の場所でも使用率が上がることや、メディア・SNSの発達により関西弁が浸透しやすくなっていることがわかりました。

いつも使っている打ち言葉・話し言葉を思い出すと、意外と使っていることもあるでしょう。

関西への旅行の前に、こうしたフレーズを知るのも面白いものです。

関西圏出身の人からすると、「えっ、その言葉が使われているの!?」と驚くような言葉・フレーズが見つかるかもしれませんね。

参考資料

太田 彩子