3. 18歳からの住まい契約のリアル
18歳からの住まい契約が始まって約1年が経ち、スムーズに賃貸借契約が進むケースが多い一方でトラブルも発生しています。実際に起きたトラブル事例を紹介します。
(参考:独立行政法人国民生活センター「若者向け注意喚起シリーズ」より)
3.1 事例1:契約後の解約に関するトラブル
「子どもが入居する予定でマンションの賃貸借契約を結び敷金などを支払ったが、入居ができなくなり、鍵も受け取っていないため解約を申し出た。しかし、すでに契約は成立しており、清掃代以外の費用は返金できないと言われた」
賃貸借契約が成立した時点で、契約書や重要事項説明書の記載内容は有効です。契約書や重要事項説明書には契約成立後の禁止事項や退去時の修繕費用の負担などについて必ず記載されており、その内容に準じて手続きが進められます。
契約する時は、契約後のトラブルを回避するためにも契約内容について契約資料を隅々まで確認しておくことが大切です。
3.2 事例2:退去時の費用負担に関するトラブル
「借りていた賃貸マンションを退去した後、不動産会社から原状回復費用として高額な請求書が提示された。契約時に敷金の支払いはなく、契約書に原状回復に関する特約の記載はなかった。高額請求に納得がいかない」
退去時に借主が負担するとされているのは、乱暴に取り扱うなど借主の過失による傷や汚れに対する原状回復費用です。常識的な使い方をしていたにもかかわらず高額な原状回復費用を請求されたら、「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を参考にして請求内容を確認しましょう。
費用の内訳が出ていない、納得のいかない内容になっているといった場合は、不動産会社に詳細な説明を求めた上で話し合うのがおすすめです。