昨年から徐々に始まった食品や日用品などの値上げは、2023年に入ってからもさらに品目数を増やしており、家計への負担増に不安を感じている方も多いでしょう。
株式会社 帝国データバンクの調査によると、2023年4月は5100品目、5月以降は4000品目もの値上げが予定されています。
現在、年金生活を送っている方にとっても値上げは大きな問題で、年金だけで生活できるか心配になってしまいますね。そこで気になるのが、2023年4月に改訂される年金額です。
4月からの年金額は増額されるのか、また、支給月は何月からになるのか解説していきます。
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1. 2023年度「厚生年金と国民年金」は増額に
結論から申し上げますと、2023年度の厚生年金と国民年金の年金額は2022年度よりも増額され下表のような金額となります。
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出所:日本年金機構:「令和5年4月分からの年金額等について」 をもとに筆者作成
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出所:日本年金機構:「令和5年4月分からの年金額等について」 を元に筆者作成
給付率は令和4年度と比較して67歳以下の方は2.2%、68歳以上の方は1.9%引き上げられています。
1.1「年金生活者支援給付金 」も増額へ
年金を受給している方の中には、「年金生活者支援給付金」も受給している方もいるでしょう。
年金生活者支援給付金とは、年金収入金額などが一定基準額以下の方に対し、生活支援を目的として年金に上乗せして支給されるものです。
2022年度の給付額は5020円でしたが、2023年度は120円増額され5140円が給付されます。
2. 2023年度4月分の年金の支給は6月15日
2023年度は4月分から増額された年金額が受給できますが、実際に支給されるのは2023年6月15日(木)からです。
厚生年金や国民年金は、原則として偶数月の15日に支払われます。各支払月の年金はその前月と前々月の2カ月分の年金の合計額が支払われるため、6月分に支払われるのは4月分と5月分の合計額となります。
参考までに、年金の支給月に対応する支給対象月を下表にまとめました。
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出所:日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」 をもとに筆者作成
2023年6月15日(木)に振り込まれる年金額で、実際に増額されているかを確認してみましょう。
3.【老齢年金】プラス改定でも実質的には目減りとの見方
2023年4月分からの厚生年金・国民年金の受給額は増額となりますが、さまざまな食品や日用品などの値上がりが続いており、値上がり分をカバーできるほどの増額ではないというのが現状です。
そのため、実質的な年金額は目減りしているとの見方もあります。
年金受給額の決定においては、賃金や物価の改定率を調整して年金給付水準を調整する「マクロ経済スライド」という仕組みが取られています。
マクロ経済スライドは将来の年金水準を確保するために必要な仕組みで、2023年度は「▲0.3%」の調整が行われます。
マクロ経済スライドは賃金や物価がマイナスとなる年度には適用されず、翌年度以降に持ち越されるというルールがあります。
2021年度と2022年度はマクロ経済スライドが適用されず、2年度分で「▲0.3%」が持ち越されています 。
今年度は、過去2年度分の持ち越し分の「▲0.3%」も調整に追加され、合計で「▲0.6%」の調整が行われることになりました。
その結果、新規裁定者と既裁定者は以下のように年金水準が抑制されます。
- 新規裁定者:名目手取り賃金変動率「2.8%」-マクロ経済スライド「0.6%」=2.2%
- 既裁定者 :物価変動率「2.5%」-マクロ経済スライド「0.6%」=1.9%
このように、賃金変動率や物価変動率にマクロ経済スライドによる調整が行われることで、年金額が増額されたとはいえ、実質的には目減りしていると考えられているのです。
4. 公的年金以外の老後資金の検討を
2023年4月分の厚生年金や国民年金は増額されることが決定されました。
しかし、現在もなお続いている物価上昇をカバーできるほどの増額ではないため、実質的には目減りしていると考えられています。
年金生活を送っている方にとっては、引き続き十分な金額を受給できない状態が続くことが考えられます。
また、現役世代にとっては老後の生活資金を年金以外の方法でも確保できるよう検討する必要があるといえるでしょう。
参考資料
木内 菜穂子
