文部科学省は2023年4月4日、修学支援新制度の対象を年収600万円世帯まで広げることを公表しました。
具体的には多子世帯や理工農系の学生等の中間層への対象を拡大するということです。
年収600万円というと、日本における子育て世帯の平均的な年収ラインとなります。
制度の概要とともに、子育て世帯の年収や貯蓄事情を見ていきましょう。
高等教育の修学支援新制度とは
高等教育の修学支援新制度とは、2020年4月から実施されている支援措置で、授業料・入学金の免除または減額と、返還を要しない給付型奨学金の大幅拡充により、大学、短期大学、高等専門学校、専門学校を無償化する制度です。
財源の一部には消費税率10%への引上げによる増収分が充てられています。
ただし、対象となる世帯には所得制限が設けられています。
現行の制度においては、住民税の非課税世帯等が主な対象とされていますが、これを年収600万円まで拡大する形です。
ただし、すべての年収600万円世帯が該当するわけではありません。
文部科学省によると、年収600万円までの世帯のうち、多子世帯や私立の理工農系の学生等の中間層を対象にするとのことです。
多子世帯とは、主に扶養する子どもが3人以上いる世帯が想定されます。
すべての子育て世帯が対象となるわけでない点に注意が必要です。
また貸与型奨学金の減額返還制度について、現行では本人の年収が325万円以下の場合に利用可能となっていますが、上限を400万円まで引き上げる点についても言及されました。
制度の拡充はまだ先となるため、今後の動向に注目しましょう。